
このブログにもたびたび「ギターの鳴り」というフレーズが出てきますが、結局のところそれはどういった事を言っているのか・・・。
鳴りのいいギターってどんなギターか
いろいろギターを弾き比べをしてきましたが、「このギター滅茶苦茶鳴ってる!」っていう物は弦を弾いてジャーンと鳴らしたときにネック・ボディ全体が振動しています。逆に、鳴らないギターはネック・ボディに振動が行きわたらず、弦だけが振動しています。凄まじい物はボディの振動がお腹にまで伝わってきます。弾いていてとても心地良いですね。
ギターに採用している木材・形状・金属パーツ・接合方法等がうまく組み合わさった際、このような現象が起きています。
では、鳴るギターはどんなことが起きるのか
鳴りのいいギターの特徴
1.シンプルに生鳴りが大きい
当たり前ですが、ネック・ボディ全体から鳴るとシンプルに生鳴りの音量が大きいです。大げさですが、エレキギターなのに「え?これアコギか?」くらいまで鳴ってくれるものもあります。
エレキギターはそこからピックアップで音を拾ってアンプで増幅することになりますが、生鳴りが大きいと必要な音量までアンプで増幅する量も少なくて良いですね。
アンプのボリュームを鳴らないギターより絞れるということは必然的に余計な歪みやノイズも増幅させなくて良いということになります。ギターの電気信号に歪みやノイズがまとわりついてると音抜けの悪さの原因にもなります。
ただし、エレキギターはピックアップごとに出力が異なるのでギターそのものが鳴るからといって高出力になるわけでもないですが。同じピックアップのギターで比べてみると分かりやすいかもしれません。鳴るものはアンプのボリュームが同じであっても音圧が感じられます。
2.レスポンスが速い
鳴るギターは比較的レスポンスが速いです。いわゆる反応速度です。振動をピックアップで音を拾って電気信号に変換してアンプに送っているわけですから、よく振動するものは音をキャッチするスピードも速いです。
知り合いに私のレスポールを弾かせたことがあるのですが、その方の感想は「ん?これ弾くよりも速く音出てない?」とおっしゃっていました。大げさな表現するとこうなります。
プレイヤーが上手くなるにつれてこの反応速度にも敏感になると思います。自分が「ここだ!」というタイミングで弾いているのに遅れて音が出てくるとストレスになりますからね。
3.出音がとても素直
ピッキングしたらそれがそのまま出てきます。下手に弾けば汚い音で反映されますし、うまく弾けば綺麗な音で反映されます。弱く弾けば小さい音で、強く弾けば大きい音で反映されます。
ピッキングニュアンスと音のダイナミクス(強弱)がつけやすいです。
よく、下手な人が良いギター持ってても意味ないと揶揄する方もいらっしゃいますが、つまりこういうことなんだろうなと思います。それは練習すれば良いだけの話です。ちゃんと弾けば綺麗に音が出てくるのはとても気持ち良いので練習も楽しいと思います。
4.サスティーンが長い
ジャーンと音を鳴らせばいつまでこれ続くんだろうってくらい長く音が持続されます。ただエレキギターはサスティーンを得るために歪み量やエフェクターでコントロール可能ですが。完全なクリーントーンでも長いサスティーンを得られるのは大きなアドバンテージだなと感じます。
5.音が分離している
音を鳴らしてもモヤモヤしないです。コード感を感じられます。解像度が高いというほうがいいでしょうか。多少強く歪ませても綺麗に鳴ってくれますね。極端なことをしないかぎりは何を弾いているのか分からないということはなくなると思います。
6.音色が良い
ちょっと掴みどころのない表現になりますが、良く鳴る個体は気持ちの良い音の物が多かったです。こればかりは鳴りが良いからと言って自分の好みの音色かどうかは異なってきますので何とも言えないですが。
結局、鳴りの良いギターを使えばいいのか
正直、そういうわけでもないと思います。音のキャラクターが好みでなければ良く鳴るギターであっても使うべきではないですし、やってる音楽のジャンルにハマってなければ、キャラクターのハマる別のギターを使ったほうがいいと思います。
私は鳴りの良いギターのが好みだったのでそれを使っているだけです。人様が気に入ってるギターを批判する資格などないし、私が使ってるギターを批判される筋合いもないです。
バッキングパートがリードパートよりも音抜けが良すぎるギター使ってリードパートのギターが埋もれて何にも聴こえてこない・・・みたいな状況もよろしくないですしね。
結局のところ、いろいろ弾き比べてみて自分がこれだというものを探し出すしかないですね。
好きなもん使え!!!!!
これに限ると思います。
適材適所で状況に適したギターを採用するのが一番ですね。