今回紹介するのはFender Custom Shop Master Built Series 1960 Telecaster Journeyman Relic by Greg Fessler 2017です。
ヘッドの裏側にはグレッグフェスラーのサインが記入されています。拡大画像を記載します。
特徴
フェンダーカスタムショップの中でも最上位ランクになるマスタービルトシリーズのグレッグフェスラー制作のテレキャスターです。色は人気のサンバーストです。ジャーニーマンレリック加工です。
Master Built Seriesとは
Master Built Series(マスタービルトシリーズ。通称マスビル)はマスタービルダーと呼ばれる最高の役職についた職人が木材の選定、加工、組み立てまでの行程を一人で手掛けたものとなります。
作成される本数も絞っているので球数が少なく、とても高いです。 ヘッドの裏には製作されたマスタービルダーのサインが記載されているのが特徴です。
ジャーニーマンレリックとは
2017以降からジャーニーマンレリックという新しいレリック加工が追加されました。どういったレリック加工なのかと言いますと、「使用はされていますが、酷い扱い方をされてなく、何年かかけて何人かのプレイヤーを渡り歩いていて、家の中や小さいギグで使用された程度」を再現したレリック加工となります。なんか、とても分かりづらいですね。クローゼットクラシック加工とレリック加工の間と言えば分かりやすいでしょうか。大げさに傷や劣化している症状は特に見られないですが、よく見ると小傷程度はありますね。ウェザーチェックも少しあります。
グレッグフェスラーについて
マスタービルダーのグレッグフェスラーが作成しています。元々、彼は電気通信関係の技術者でありましたが、友人の伝手でフェンダーに入社。ギター製作は入社後からだったにも関わらず、わずか4年でマスタービルダーに上り詰めたビルダーです。今ではジョンメイヤーやL’Arc~en~CielのKENのギターを作っているというのですから驚きですね。
指板Rは7.25とややキツめです。フェンダー社のギターには割とスタンダードですが。なので弦高はやや高めになります。
ネックはやや太めに感じました。
ボディ材はローステッドアルダーになります。いわゆるロースト加工されています。高温の熱処理やその他のプロセスを経て乾燥させて木材から水分を除去しています。丈夫で軽量で安定した木材になります。
ピックアップはスタンダードなCustom shop HW TELE58です。
ギターの音・鳴り
ハイが暴れることなく、ローの帯域がしっかり出てくる落ち着いたトーンが特徴的なテレキャスターです。
安心安定のマスタービルダー製作ギター、もちろん音は良いです。
生鳴りももちろん良いのですが、劇的に鳴るわけでもないかなという印象。
上品な鳴り方ですね。音が暴れる感じは一切ないです。落ち着いていて非常に優等生なギターだと思います。
ミドルハイが強いタイプではなく、音が前へ前へ出てくるようなギターではないです。
音色に関してはやや重心がロー側でしっかりした音が出ます。キャンキャンなる感じではないですね。
コードの分離感もよく綺麗に聴こえてきます。音に広がりがあり、解像度が高いですね。
カッティングやコードプレイを多用するプレイヤーにうってつけのギターだと思います。
総評
やはりマスタービルダー製に外れはないですね。非常に優秀なギターだと思います。
広がりがあって分離感が良く綺麗に鳴ってくれるギターですので、コードバッキングに使うと凄くマッチすると思いました。
同じマスタービルダー製のギターでも製作者によって全然キャラクターが変わるので、何でも弾いてみないと分からないですね。
マスタービルダーだから絶対いいギターだ!って決めつけて買うのは危険かもしれません。
正確に言うと、明確なハズレはないですが、その人が製作しているギターのキャラクターが自分のプレイスタイルに合うか合わないかはあります。もちろんこれもいいギターですが。
ギターボーカルの方にはうってつけのギターじゃないかなと思います。