今回紹介するのはFender Custom Shop Master Built Series 1963 Stratocaster Ultimate Relic by John cruz 2012です。レンタル品です。究極に相応しいレリック加工がされています。
特徴
こちらはマスタービルトシリーズのジョンクルーズ制作のギターです。
前回のジョンクルーズのストラトキャスターは通常のレリック加工ですが、こちらはアルティメットレリックと呼ばれるさらに激しいレリック加工が行われています。
今回紹介するのはFender Custom Shop Master Built Series 1960 Stratocaster Relic by John cruz 2008です。ヘッド[…]
Master Built Seriesとは
Master Built Series(マスタービルトシリーズ。通称マスビル)はマスタービルダーと呼ばれる最高の役職についた職人が木材の選定、加工、組み立てまでの行程を一人で手掛けたものとなります。
作成される本数も絞っているので球数が少なく、とても高いです。 ヘッドの裏には製作されたマスタービルダーのサインが記載されているのが特徴です。
ジョンクルーズについて
人気のマスタービルダーであったジョンイングリッシュに並ぶトップクラスのビルダーです。
ジョンイングリッシュはすでに亡くなっているので、ジョンクルーズは現在生存している最高のマスタービルダーといっても過言ではない・・・はずだったんですが、近年とある事情から(ここでは詳しく書きませんが、かなりまずい差別的言動を行ったとか・・・気になる方は調べてみてください)フェンダーを退社(正確に言うとクビですが)しました。
市場価格もこの二人が制作されたものは群を抜いて高いです。フェンダー在籍時のオーダーは数年待ちとなっていましたし、新品が市場に出れば即売の状態でしたので、中古で狙うしかないのかなと思います。
フェンダー退社後が個人ブランド(John Cruz Custom Guitars)を立ち上げてギター製作を引き続き行っています。
彼も自分の価値を大変理解されているようで、フェンダー在籍時の価格よりも圧倒的に高い額で販売されております。
色は人気のサンバーストにピックガードが黒です。最高にカッコイイですね。ボディはアルダーの2ピースです。
山野楽器店のオーダー品となります。
お値段はやはり通常のレリック加工品よりは多少高いです。それでもお金を出す価値のあるカッコイイデザインだと思います。いまや人気トップビルダーのジョンクルーズのアルティメット加工ですから、これ以上のストラトはないかと思います。
こちらはネックが凄く太いですね。前回のジョンクルーズはかなり細かったので同じビルダーでもここまで作りが違うのかと衝撃を受けました。
重量は前回の物と同じで3.5kgほどになります。
ギターの音・鳴り
ローミッドが主張されていてかなり重たく太いストラトサウンドとなります。
当たり前ですけど、音は文句なし最高ですね。ギターのネック・ボディ全体から鳴ってくれます。
マスタービルダー製作ギターに外れはないですね。期待通りの音質と鳴りです。
ただ、音色に関しては前回のジョンクルーズとはキャラクターが異なります。
前回はハイミッドが強調される感じでしたがこちらはローミッドが強調されます。
迫力のあるロックなサウンドですね。ガンと前に音が飛んできます。
やはりネックが太いとこういう特徴が出てくるのでしょうか。
ギターの全体重量は大差ないのにも関わらず、ここまで太くて重たいサウンドに変わってくるのは面白いですね。
総評
マスタービルダー製品はやはり品質に関しては期待通りの高水準を叩き出してくれますね。文句なしです。
同じビルダーの製品であっても音のキャラクターは全く異なるので試奏は大事だなと思いました。
前回はバランスの良い音の個体でしたが、こちらは太くて重たいヘビィなサウンドに仕上がっていました。
ネックの太さも前回は極細、今回は極太の正反対ですしね。
マスタービルダー製はかなり信頼度高いと思います。その分値は張りますが仕方ないと思える品質の良さです。