VeroCity(ベロシティ) Effects Pedals FTM-Customをレビューします。プロギタリスト山口和也さんがYoutubeで紹介してから注目された方も多いのではないでしょうか。
定番のアンプシミュレーターペダルになってきました。今回はクリーンとオーバードライブの2CH仕様です。
特徴
日本のエフェクターブランドVeroCity Effects Pedals FTM-Customです。このペダルはFENDER史上最も歪むアンプと言われ、さらには美しいクリーンチャンネルを持つTonemasterアンプをエミュレートされたモデルになります。
このブランドは「VIGILANTE 」のギタリスト、レコーディングエンジニア、プロデューサー等、様々な顔を持つ大本浩史氏を中心に立ち上げられました。
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Verocityペダルの特徴
ブランド名の由来にもなったVero Boardを用い、真空管をFETに置き換え、アンプの回路をコンパクトエフェクターのサイズで再現されているのがVerocityペダルの特徴ですね。
徹底的に厳選されたパーツをBELDENワイヤーと高品位なドイツ製WBT銀ハンダを用いて丁寧にハンドメイドで組み上げられています。量産品では通常使われないパーツをふんだんに使用されているとのこと。
ですので、大量生産することはできないようで全て受注生産となっています。新品で入手するのがとても大変ですね。注文してから数か月かかるようなので。
そのおかげで中古相場の価格が非常に安定しているので暴落とかはないかと思います。安心して保有できます。
もう一つのVerocityペダルの特徴としてはアウトプットジャックの通常の挿し方でアンプのクリーンチャンネルに接続することが可能となり、半挿しにすることでギターアンプのRETURNに接続できるようなインピーダンス変更を可能となっているところ。
つまり、普通に挿せば通常通りの歪みエフェクターペダルとして使用可能。半挿しであればリターンに回すことでプリアンプとして使用することが可能となります。汎用性が非常に高いですね。
入力ジャックを抜き去るとミュートがかかるのでアンプやスピーカーにダメージはかからないです。トラブルが起きても安心ですね。
左側が歪みチャンネル、右側がクリーンチャンネルです。クリーンチャンネルON時に左の歪みチャンネルをONにすると切り替わります。両方のスイッチを踏む必要はないですね。
両チャンネル共フェンダーアンプによく搭載されているFATスイッチが実装されています。音量と音の太さが増します。
コントロールのつまみですが、歪みチャンネルは左上からVolume、Gain、Treble、Middle、Bassとアンプ必要なものが一通りついてます。残念ながらPresenceはなしです。
クリーンチャンネルはVolume、Treble、Middle、Bassです。ゲインコントロールがないのもフェンダーアンプっぽいですよね。
ゲインブーストスイッチは搭載されていません。
エフェクターの音作りについて
やはり安心安定のVerocityペダル。元となったアンプの音を忠実に再現できます。若干エフェクター臭さは残りますが、優秀でしょう。
まずクリーンチャンネルですが、フェンダーアンプ特有の美しいクリーンサウンドが作れます。ほんのりツインリバーブっぽい音ですね。このクリーントーンが嫌いな人はいないんじゃないかなと思います。
ボリュームで音量と歪み量をコントロールできます。フェンダーアンプを使ったことある人は特に気にならないですが、使ったことない人は少々戸惑うかもしれませんね。
音量を上げていくと少しずつ歪んできます。クリーントーンを維持するなら11時あたりでフラットですのでそこまでですね。それ以上上げると若干歪んできます。
3EQのトーンコントロールはやはりVerocityクオリティ。非常に効きがよく、12時でフラットです。全て均一に音域を調整できます。非常に使いやすいですね。
FATスイッチは結構変わります。明らかにパンチのある音に仕上がります。線が細いサウンドが好みの方は切ってていいと思いますが、太いクリーンサウンドが好きな方はONにしっぱなしでいいのかなと思います。
次に歪みチャンネル。フェンダーのトーンマスターの歪みが再現されています。その後継機種のSUPERSONICを一時期メインアンプとして使っていた時期があるのですが、まんまあの音です。ちょっと懐かしいですね笑
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クランチ~ディストーションまで歪ませることができます。奥行がありバンドアンサンブルに馴染むサウンドですので、バッキングに有効かと思います。前へ前へ出てくる音ではないですね。
ボリュームは12時でフラットです。そこそこ音量も上げられますね。使いやすいです。
ゲインも12時で丁度良いオーバードライブサウンドが得られます。12時から下げると急激にゲイン量が落ちます。12時~2時くらいがオーバードライブサウンド、2時以降がディストーションサウンドになります。若干癖有りますね。
本家のフェンダーアンプもゲインに滅茶苦茶癖のあるアンプなのでそれは致し方ないかなと思います。
3EQのトーンコントロールはBASSとMIDDLEは12時でフラットで効きも丁度良く使い勝手が良いのですが、Trebleだけ若干効きが強めです。12時よりも落とし気味でフラットなイメージです。
クリーンチャンネル、歪みチャンネル両方付いている贅沢な仕様ですので、センドリターンでプリアンプに使っても良いと思います。むしろそっち推奨ですかね。
総評
やはり優秀なアンプエミュレートペダルでした。フェンダーアンプをどこでも持ち運びできる素敵なペダルです。
これに一番近い現行品アンプはSUPERSONICかと思われますが、あちらはクリーンチャンネルが結構歪んでしまうんですよね。フラットにしてもクランチサウンドになってしまいます。
これのクリーンチャンネルは割と歪み量を抑え気味でツインリバーブのようなサウンドですので、もうこれでいいんじゃないかという笑
歪みチャンネルもSUPERSONICっぽいオーバードライブサウンドが作れますしね。
クリーンチャンネル、歪みチャンネル両方ついているので、センドリターンに回してプリアンプとして使っても違和感がないです。
本当に多機能で便利で良いペダルだと思います。
問題は受注生産で届くまでに時間がかかるところ・・・。中古市場でもあまり見かけないモデルなので、お気軽に試せないのがネックですね。
しかも2CH仕様だからか若干高い価格設定となっています。