PGS(Papa Goriot Studios)RAPTORをレビューします。ADVENTで話題になったPGSのペダル第二弾です。今回はオーバードライブではなくディストーションペダルです。
特徴
日本のエフェクターブランドPGS(Papa Goriot Studios)のRAPTORです。
最近発足した個人で運営されているメーカーです。
ADVENT同様、現在の歪みエフェクターは大抵元となったエフェクター・アンプから派生させていくことがトレンドですが、こちらは全く新しい回路構成によって新たなサウンドを追及した完全オリジナルサウンドのディストーションペダルです。
ADVENTで培った技術を元に激しく深い歪みを追及したペダルです。 CMOSインバーターの段数を増やし、更にJ-FETを組み合わせることでハイゲインとローノイズを両立しています。
CMOSインバーター特有の立体的で生々しいサウンドの次元を更に高める事に成功しました。
中央のトグルスイッチではSTABとBLASTの2種類のキャラクターを選ぶことが出来ます。 STABではエッジの効いた鋭いサウンド、BLASTでは太く厚みのあるサウンドになります。
ADVENTのレビューはこちらから!
PGS(Papa Goriot Studios) ADVENT(アドベント)をレビューします。今話題のオーバードライブペダルですね。弾数もあまりなく、得体のしれないエフェクターですので、気になってはいるけど購入になかなか踏み切れない、そん[…]
各コントロールについて
GAIN:歪み具合を調整します。
TREBLE:高音域の音質を調整します。
BASS:低音域の音質を調整します。
LEVEL:出力レベルを調整します。
BLAST/STABスイッチ:BLASTモードでは太く厚みのあるサウンド、STABモードではアタックの強い鋭いサウンドを作り出します。
エフェクターの音作りについて
音の分離感を残したまま強烈に歪む強烈にパンチのあるハイゲインディストーションサウンドです。
こちらもADVENT同様、存在感が強烈にあるサウンドですね。 強烈に歪む割にはノイズが少なく、音もグシャグシャにならず、立体感が残ったまま音が前に飛んでいきます。
圧倒的な威力を持ったサウンドで、音抜けも良く、バンドアンサンブルに埋もれることはなさそうです。
いい意味で滅茶苦茶うるさいサウンド笑
GAINを絞り切ってもオーバードライブ程度までは歪んでしまいますね。もう、何をしてもガンガンに歪みます。
グランジ、ハードロック等ガンガンに歪ませた激しく重たいサウンドを作る場合にはうってつけのハイゲインディストーションですが、それ以外は全く対応できないというかなり尖った性能をしています。
汎用性はないですが、そういった系統のジャンルをプレイする人にとっては心強い味方になるペダルです。
リードギターでバリバリプレイする方にうってつけですね。
STABにすると解像度が高く、エッジの効いた鋭いディストーションサウンドとなります。こちらの方がパンチが強く、強烈にインパクトのあるサウンドとなりますね。とんでもなく攻撃的な音はADVENT譲りですね。
BLASTにすると音の重心がロー寄りになり、音が気持ち丸くなったサウンドになります。音の解像度はこちらの方がやや悪く、若干グシャっと潰れたような質感になりますね。主張は弱くなるので、バッキングで使う場合はこちらの方が向いているかなと思います。
LEVELのつまみですが、10時~11時程度でフラットです。12時にすると気持ち持ち上がる感じになります。14時あたりで一気に音が大きくなり、15時では爆音です。MAX時では聴くに耐えられないレベルの音量に。かなりヘッドルームに余裕があってガンガンに音量は上げられますね。
GAINのつまみですが、左に回し切っていてもオーバードライブ程度までは歪みます。9時程度でもうディストーションになるまで歪みます。そこから右に回していくと緩やかに歪み量が足されていきます。MAXにしてもファズほどまでは歪まないのかなといった印象。レンジはかなり狭く設定されており、もう何してもハイゲインディストーションサウンドになりますね。その範囲内で歪み量が多いか少ないかって程度です。 ハイゲインであるのに音の芯が潰れていかないのがやっぱり気持ち良い。
BASSのつまみですが、こちらは12時でフラットです。トーンレンジはかなり広く、左に回し切ったら完全ローカット、右に回し切ると地鳴りのようなゴゴゴゴというまでローが出るようになります。他の帯域が持ち上がったりカットされるような影響は感じられず、本当に低音域だけ綺麗にコントロールできますね。
TREBLEのつまみですが、こちらも12時でフラットです。こちらもレンジはかなり広いですね。モコモコからキンキンまで調整可能です。9時~15時の間でコントロールするのが良さそうです。それより上げたり下げたりするとかなり極端な音になってしまいます。ここまで必要あるか?というくらいレンジが広い。
歪みのレンジはかなり狭く、トーンレンジは両方とも滅茶苦茶広いという尖った調整になっていますね。
総評
強烈に歪みつつも音の芯が潰れず、解像度が良く音が前へ飛んでいくパワフルなハイゲインディストーションです。
汎用性は捨て去り、激しく重たいジャンルをプレイする人にとってはドハマりするディストーションサウンドですね。
これでもかというくらいいい意味でうるさいサウンド。 かなり尖った性能になっているので、使用用途は限られています。
こういう尖った調整がされているペダルは私は好きですけどね。
歪みのレンジが狭く、何してもディストーションサウンドになりますが、トーンレンジはBASS、TREBLE共滅茶苦茶広いので音作りの幅は割と広いかなと思います。
あくまでディストーションサウンドの範囲内での話ですが。 何でもできるようなどっちつかずな調整になっているペダルが多い中、ある所まで振り切っているペダルは貴重ですよね。