【真空管アンプの再現】CULT Tempest ディストーション レビュー

CULT Tempestをレビューします。CULT初のディストーションペダルです。

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特徴

CULT Tempestです。

数々のレアなエフェクターを販売しているPEDAL SHOP CULTは有名ですよね。

そのCULTが初めてオリジナルオーバードライブペダルのRayの開発に引き続き、ディストーションペダルも開発し販売を始めました。

Rayのレビューはこちらから!

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レジェンドと呼ばれる真空管アンプが生む、真の意味でのディストーションを再現するペダルとのこと。

よく、真空管アンプの再現をしました!という歪みペダルが販売されていますが、実際使ってみると音色が「それっぽい」ってだけで細かいニュアンスが全然再現されていないモデルが多かったように思えます。

このTempestは徹底して“アンプスケール”である音色を追及されたペダルです。

アンプのような、有機的で荒々しい歪み、プレイヤーの違いすら再現するダイナミックレンジ、自らに迫り来るような音の規模感こそ、“アンプスケール”が求める条件で“ペダルスケール”であることは、他の機材との適合性、弾きやすさや扱いやすさなどの観点から多くのプレイヤーに求められています。

それらの要素を捨ててリアリティを追及し、CULTは真のディストーションを開発しました。

ケースやつまみは前回のRay同様、オリジナルの物を採用しています。

つまり、サイズがでかいです・・・。

72mm(W) 144m(D) 46mm(H) ※突起含まず  重さ:522g

実際のサイズ感の比較はRayのレビュー時に紹介していますので、今回は割愛します。そちらを参照してください。

重さもなかなかの重量。前回とほぼ変わらないですね。

その他、裏面に製造した日、その日から5年無償修理、電池稼働はしない等の仕様も前回のRayと同じです。

エフェクターのコントロールについて

Volume:音量、音圧を調整します。Volumeを上げるほど音色はクリアになり、よりアンプライクな質感、弾き心地を得られます。逆にVolumeを下げれば下げるほど、ペダルライクな音色となり、扱いやすくなります。このTempestにおいて、最も重要なコントロールです。

Distort:歪み量を調整します。Distortのセッティングによってゲインステージでの実際の増幅量が上下し、歪み量の増減と比例してコンプ感、低域の膨らみが変わります。

Depth:低音域を調整します。例えばギターアンプのプリアンプ部のトーンスタック、フィルターではなく、パワーアンプ部を操作しているような質感で作られており、大きく上げても音が潰れず、音色の奥行きや広がりを感じさせる帯域を調整します。

Presence:高音域を調整します。ピックと弦が擦れて生まれるような帯域、いわゆるバイト感、アタック感と呼ばれる要素を増減させます。パワーアンプのネガティブフィードバックコントロールをイメージさせる効果です。

エフェクターの音作りについて

音の塊が迫ってくるかのような迫力のある分厚いディストーションサウンドです。

思いっきり気持ちよく歪ませられるペダルですね。

音色としてはラウドでパンチのあるサウンド。オルタナ系のダウナーで重たい感じの音色ですね。Smashing PumpkinsやWeezerにハマりそうな音。

ブライトな音ではなく、どちらかというとダークなサウンド。FREEDMANのアンプが一番近いサウンドでしょうか。

この系統の歪みペダルのサウンドは歪ませていくとどうしても後ろに引っ込んでいってしまう傾向が強かったと思うんですが、これはそんなことにはならず、ずっと前へ前へと迫ってくるサウンドが維持されます。

ですので、好きなだけガッツリ歪ませられることができる良いペダルですね。

この辺りがペダルライクというよりかはアンプライクな質感であると言えるでしょう。

幾度となくアンプライクな音です!と言ういい文句で騙され続けてきましたが、これはちゃんとラインを乗り越えてきていると思います。

音色だけがアンプっぽいだけで音圧・迫力は全くないよね・・・みたいなペダルばかりでしたもんね。その音圧・迫力をキープしたままガンガン歪ませられるペダルは貴重です。

解像度はバキバキに良い!みたいなペダルではなく、コンプレッション感はそれなりにあります。Rayとは違ったベクトルから製作されているのが良くわかりますね。

歪ませても音がグシャっと潰れていかずにニュアンスは残り続けてくれます。

歪みの幅は狭い方で、色んな音が作れて汎用性が高いみたいなタイプではないです。

Tempestのディストーションサウンドの範囲内でコントロールによって細かい微調整ができますといった感じ。

尖ったコントロールにしても極端に音が変わることはなく、使える音の範囲内でセッティングができます。

Volumeのつまみですが、11時でフラットです。12時でバイパス時から少し持ち上がった音になりますね。そこから緩やかに音量が増していき、フルテンにすると爆音になります。

MINにすると音が完全に消えます。10時くらいでバイパス時よりほんのり引っ込んだような音量になります。

これはRayと感覚が変わらない感じします。似たような変化の仕方ですね。

Distortのつまみですが、こちらは12時でフラットです。MINにすると音が出なくなり、、8時~9時でグシャっと潰れたようなクランチサウンドになります。この辺だと全く音が気持ちよくない。

9時~10時でオーバードライブサウンドとなり、11時~12時でディストーションサウンドです。

12時以降は緩やかに歪み量が増していき、フルテンにするとファズとまではいかないものの、歪み量が十分なディストーションサウンドとなります。

12時を超えたくらいからコンプレッション感がきつくなってきて歪み量を増やすたびにピッキングニュアンスが残らなくなっていきます。同じく、低域も強くなっていきます。

Depthのつまみですが、こちらは12時でフラットです。MIN~9時くらいまではローのない軽い感じの音になります。10時を境目に急激に低域が増し、それ以降は緩やかにローが足されていきます。MAXにしても極端に低域が強い感じにはならず、常識的な範囲内で収まります。

レンジは広くない方です。これ以上行くといい音にはなりませんよってペダルが教えてくれる感じ。細かく微調整ができますね。

Presenceのつまみですが、こちらも12時でフラットです。MIN~9時までは輪郭がはっきりとせず、後ろに引っ込んだような音になります。これも10時を境目に急激に音が変化します。同じ癖ですね。そこからは輪郭がはっきりしてくるようになり、緩やかに高域が強くなっていきます。

MAXにしても耳が痛い音にはならず、これも常識的な範囲内で収まります。

トーンレンジが決して広いとは言えないですが、どこにセッティングしてもいい音に仕上がるので、初心者にはありがたい調整。

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総評

音の塊が迫ってくるかのような迫力のあるディストーションサウンドが作れます。

どれだけ歪ませても音が潰れていかず、迫力のあるサウンドのまま歪んでいってくれます。

トーンレンジも極端な所まで広くはなく、どこにセッティングしても使える音に仕上がるので使い勝手はかなり良いです。

特徴をまとめるとこんな感じ

ラウドでダークな重たいサウンド。ブライトな明るい音色ではない。

Volume以外のつまみのレンジは狭い方。逆に言えばどこにセッティングしても使える音に仕上がる。

各種コントロールの癖はRayより強くなく、使いやすくなった。

強く歪ませても音が潰れていかず、音が迫ってくるようなパンチのあるサウンドは維持される。引っ込んでいかず、アンプライクなサウンドであると言える。

やっぱりデカい

こちらはRayとは違って守備範囲が狭いですが、その系統の音が好きな人にはドンピシャなサウンドだと思います。

これを踏めばTempestの音になる、といった感じ。色んな音を作りたい人には向かないです。

値段相応のかなりクオリティの高いディストーションペダルです。ここまで良い音だなと思えるディストーションペダルはなかなか無い。

トップクラスの性能ですが、やっぱり弱点はサイズがデカい。

ボードにどうしても組み込みにくいサイズ感ですね・・・・。めちゃめちゃデカすぎるわけでもなく小さいわけでもない。

スペースの確保に苦労するペダルです。

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