ケーブルが悪い物を使った状態で音作りするとどうなるのか・・・・。私は完全に別物の音になると考えています。その根拠を説明します。
ケーブルを変えると音はどうなる?
この説明については過去の記事で行っております。シールド・スピーカーケーブル・電源ケーブル・パッチケーブルが主に変更できますね。
基本的に音痩せの防止、ノイズ混入の軽減、音色変化、音の解像度のアップです。
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電気信号の波形による音の変化は?
ギターの音というのは、ギターの弦の振動の音からピックアップで拾った電気信号をアンプで増幅させてスピーカーに流してアウトプットしております。
それを伝送させるものはギターシールド、パッチケーブル、スピーカーケーブル(信号ケーブル)であります。
アンプ・エフェクターを動かすのに電気が必要ですね。それらに電気を供給するケーブルは電源ケーブル(電力ケーブル)であります。
電気信号がケーブルを通る際、ケーブルの質が悪いと伝送にロスが生じて音痩せが発生したり、外部からのノイズが混入して音質劣化が発生します。
それは結局どのように音が劣化していくのか・・・・それを波形を用いてわかりやすく解説したいと思います。
基本的な機材の構成はこのようになりますね。
あらゆるケーブルで電気信号を送っていることが分かりますね。仮に100%で伝送のロスなしかつノイズ混入もない状態の理想的な波形をこのようにします。(実際のギターの音の波形はこんな綺麗なものではないですが、分かりやすく説明するためこの波形の表現にしてます)。
そして次のようなエフェクターの歪みを加えると
こうなります。そしてアンプで音を増幅して
このような音が綺麗に歪ませた理想的な迫力のあるサウンドの波形とします。
ですが、実際は信号ケーブル(ギターシールド、パッチケーブル)による伝送損失(ロス)が発生します。
音の波形の振幅が小さくなってしまいます。所謂音痩せです。その上に、電源ケーブルが悪いと電源ノイズが混入してきます。
大げさに表現していますが、ノイズの量が大きいともう見る影もありませんね。理想形の音の波形とは遠い状態です。ここからアンプで増幅して音を出力しなくてはなりません。
振幅が1/2になり、ノイズが大量に混入した状態の波形を音の出せるレベルまで増幅します。理想形では2倍程度の増幅で事足りた波形ですが、伝送損失(ロス)してしまっているので4倍程度増幅させないと満足のいく音量が出ません。
音量だけでなく、混入したノイズも4倍増幅することになります。大変な事ですね。こうなります。
もう元がどういった音なのか分からないですね。完全に別物です。
音で分かりにくければ写真でも同様の事が言えます。劣化がない状態の写真はこちらです。
次に悪いケーブルで伝送損失があったり、ノイズが乗ったりして解像度も悪くなった状態がこちら。
どうです?同じ写真でもぼんやりして見難くなったかと思います。
他の例では電話でも同等の事が言えます。そもそもが何を言ってるか聞き取り難い音声を大きくしたところで・・・ってなりますよね。
これが音に芯がなく音抜けが悪い、音が痩せている、解像度が悪く何を弾いているか分からない、ピーっとハウリングが起こる正体です。
バンドアンサンブルでこれが混ざると完全に他の音に飲まれて消えてしまいますね。このような状態は非常にまずいとは思わないですか。
ケーブルを変えるより練習したほうが良い音がするんじゃないか?
これ滅茶苦茶よく言われるんですけど、そもそもの話で論点が違うと思うんですよね。
ギターを弾くのが上手いけど、ケーブルは悪い物を使ってる人とギターを弾くのが下手だけど、ケーブルは良い物を使っている人・・・・。
写真で置き換えてみましょうか。写真を撮るのが滅茶苦茶うまいカメラマンが撮った写真の解像度を下げたものと写真を撮るのが下手で手ブレが凄いその辺の人の写真どちらが綺麗ですかって話ですよ。そんな比較不毛じゃないですかね。
手ブレが凄まじくてそもそも何を撮っているのか分からない写真の解像度がいくら良かろうが無駄ですよね。内容が分からないんですもの。
綺麗に撮影された写真であれば多少解像度が悪かろうが内容は分かりますよね。
結局のところ、良いケーブルを使えば弾いた内容が100%に近い状態でアウトプットされるということです。良くも悪くもです。ピッキングミスをすれば滅茶苦茶綺麗にミスした内容がスピーカーから出力されますし、正確なピッキングをすれば滅茶苦茶綺麗に正確な音がスピーカーから出力されるようになります。
やるべきことは一つです。滅茶苦茶練習して良いケーブルを使えばより良い音になります。
どのケーブルを優先して変えるべきか
ケーブルが悪いと音質にとても影響があることは分かりました。ただ、どのケーブルの影響が大きいのか分からないと思われますので優先順位を決めてみました。
1位 アンプ側の電源ケーブル
もう最優先ですね。完全に盲点になりがちなんですよ。ギターシールド・パッチケーブルは元々気を遣う方が大半なのでそれなりに良い物からさらに良いものに交換してもそこまで大きく変化量は変わらないです。
電源ケーブルの場合は元々アンプに付属している電源ケーブルを使う人が大半かと思われます。それは音質を悪くしているエフェクターだと考えてもらっても良いです。
元が最悪なんですよね。だからそこからそれなりの電源ケーブルに交換するだけで大きく変わります。
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2位 エフェクターボードの電源ケーブル
この電源ケーブルに該当するのはDC9V電源ケーブルではなく(もちろんこれを変えても多少変わるのですが)パワーサプライに付属している電源ケーブルの事です。何の事やねん!と思われる方もいらっしゃると思いますので写真を載せておきますと
3芯の電源ケーブルが挿せるタイプのパワーサプライがあると思います。ここにお好みの電源ケーブルを挿します。エフェクターのパフォーマンスが見違えります。特に空間系エフェクターのパフォーマンスの変化は凄まじいですね。
3位 ギター~エフェクターボード間のシールド
ここは気を付けている方が多いと思いますね。ケーブルは電気信号の1次側の影響が大きいのでエフェクターボード~アンプ側のシールドよりもこちらの方が優先されます。ここはなるべく良いシールドに交換しておきましょう。
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4位 エフェクターボード~アンプ間のシールド
基本的にギター~エフェクターボードのシールドと同じものをセットで買っている方が大半かと思います。ギター~エフェクターボード間のシールドよりも影響は小さいですが、交換しておくに越したことはないです。
5位 スピーカーケーブル
色々実験した結果ですが、シールドの交換よりも変化は少なかったです。それでも変わることは変わるので余裕があれば買っておきましょう。信号がアンプによって増幅される前のケーブルによる影響より、信号がアンプによって増幅されてからのケーブルの影響の方がそこまでダメージ食らうことはないのかなと思います。
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6位 パッチケーブル
よっぽど悪いパッチケーブルを使わないかぎり特に影響は小さいかなと思います。ソルダーレスケーブルであればフリーザトーン、通常のパッチケーブルであればプロビデンスを使っておけばまあ問題はないでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。ケーブルによる音質劣化は馬鹿にしてはいけないという危機感を持って頂けたでしょうか。
ケーブルを疎かにした状態で音作りするより、根本的にここから改善してから音作りをした方が早く解決すると思います。
バンドアンサンブルに埋もれて音が抜けない、迫力のあるサウンドが作れない、そういったお悩みの方はギターやエフェクターの選定も良いですが、まずケーブルの交換から試してみてはいかがでしょうか。