【アンプとノイズの関係について】アンプの仕組み上、ノイズは避けられない!?良いギターサウンドを作るには!

プレイヤーにとっての天敵・・・・それはノイズですよね。エレキギターで音を作る限りこれは永遠の課題です。

出来る限りノイズを減らしてクリーンな音で演奏したい・・・・。アンプを使う限り0にはできないですがなんとか減らしてやりたいところ。

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ギターアンプの構造について

amplifier=アンプ それは電気信号の増幅器のことです。ギターから出る電気信号は非常に微弱なものです。その信号をアンプで増幅して大きな電気信号してから、スピーカーで音を出力してあげなければなりません。

1.プリアンプ

プリアンプ、それは電気信号を扱う機器の前段に置かれる増幅器です。前置増幅器とも呼ばれます。スピーカーで出力できるレベルまで増幅できませんが、その前段階でギターの音をイコライザーやゲインで調整できる機能があります。足元に置かれるエフェクターの類もいうなればプリアンプと言えるでしょう。

ここである程度増幅・調整してあげてから電気信号をパワーアンプ部に持って行ってあげます。

2.パワーアンプ

プリアンプ部から送られてきた電気信号をさらに増幅させ、スピーカーでも音が出力できる状態まで持っていくアンプです。2段階で増幅してあげないとスピーカーに音が出せる状態までいかないのです。ギターから直接センドリターン部に刺す人なんていないですよね?

S/N比について

信号=signalに対しての雑音=noiseの比率です。この数字が大きければ大きいほどノイズに強いということになります。

少なからずノイズは乗ってきます。これは避けられないです。ノイズが大きいか小さいかはアンプの性能によります。

アンプで電気信号を増幅する際、ノイズも増幅されます。 これは避けられないのです。

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アンプとノイズの関係性について

ノイズが混入された状態でアンプで増幅してやると電気信号はどうなるのでしょうか。ゲインとボリュームを十分に上げた状態だと何もしていなくても「ジジジジー」(電源ノイズ)や「サー」(ホワイトノイズ)の雑音が聴こえてくるかと思います。

この状態は電気信号にノイズが乗った状態で正しい波形ではない状態です。あまりに酷いと音痩せの原因やハウリング、音抜けが悪くなったりします。

通常、このような接続をされるかと思います。

仮に80dB電気信号を増幅して音を出したいぜ!とします。電気信号は電圧(V)の大きさで表記します。

となります。入力電圧はインプット、出力電圧はアウトプット側になります。仮にギター側からプリアンプ側に送られる電気信号を1Vとします。それを80dB増幅したい場合は

となり、出力電圧V1は10000Vとなります。プリアンプとパワーアンプで10000倍電気信号を増幅させてあげないといけなくなります。

ギターからの入力のS/N比を10:1、プリアンプとパワーアンプのS/N比を10:1とし、プリアンプ側で100倍、パワーアンプ側で100倍増幅するとします。

このような状態になります。ノイズの求め方は相乗平均で求められます。つまり

となります。まずプリアンプで増幅した際のノイズを計算しますと、前段からのノイズは0.1V、アンプの増幅率は100倍、アンプのノイズは10Vなのでそれぞれ数式に入れますと

となり、≒14.1Vとなります。これをさらにパワーアンプ側で増幅させますと

となり、≒1410Vとなります。

次に、エフェクターを直接10個つなぎ、ギターからプリアンプまでの電気信号の大きさを0.5V、ノイズが2倍に膨れ上がり0.2Vになったとします。つまり、S/N比が5:2になったとします。

その場合、アンプ側は20000倍増幅しないと同じ音量までたどり着かなくなります。

つまり次の図のようになります。

この状態でのノイズを計算していきますと、前段からのノイズは0.2V、プリアンプの増幅率は100倍、ノイズは10Vとなります。

となり、≒22.4Vとなります。同じようにパワーアンプ側で増幅しますと

となり、≒4480Vとなります。

どうでしょうか、入力のS/N比が悪い電気信号を送ってしまうとかなりノイズが増えてしまうことがお分かりいただけましたでしょうか。

電気信号の大きさが小さければアンプ側で増幅してやれば解決する、というわけではないのです。

ギター、エフェクター、シールドの選定に注意を払わなければどんどんノイズは増幅されて音痩せ、ハウリング、音抜けが悪い等の問題が出てくることが分かります。

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結論

まとめとしまして、アンプとノイズの関係性について箇条書きすると

1.ノイズを完全に消すことは不可能だが、最小限にすることが重要

2.アンプで増幅すると、音と共にノイズも増幅される

3.アンプに入力する電気信号のS/N比を大きくすることで出力されるノイズは緩和される

ということですね。何が言いたいのかというと、音が痩せたからといってアンプでむやみに増幅させてはいけないということです。度々ライブを観に行くとギター単体の音は大きいのにバンドで鳴らすと何を弾いているのか聴こえてこないという場面がありますが、こういう事が原因の1つにあげられます。

インプット側の問題を解決して音痩せの解消、ノイズの軽減をしてあげなければ迫力のあるギターサウンドは作れないでしょう。

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