アンプ・エフェクターの 電圧の謎! 機材にどういった影響がある?

アンプ・エフェクターに使用する電圧についての話です。何気なく電源供給しているかと思われますが、電圧についてちゃんと理解して電源供給をしていますでしょうか?このページでは電圧に関連することを解説します。

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機材の定格電圧について

定格電圧とは

定格電圧とは、電気機器を安全に使用するための最大電圧です。定格電圧以上で機材を動作させても直ちに故障することはないですが、機材の安全性は保障されなくなります。

許容電圧は設備によって異なりますが±5%、±10%であることが多いです。定格電圧が100Vであれば大体90V~110Vは許容されるということです。

日本国内の商用電源電圧は、一般住宅・オフィス用が主に100Vとなっています。日本の家電はこの100Vで主に動作しています。

電気事業法施行規則第44条に、電力会社が電気を供給する変動幅について、標準電圧に対し維持すべき電圧は101Vの上下6Vを超えない値(95V~107V)と定められています。 定格電圧100Vの許容範囲内であることが分かりますよね。

アメリカでは110~120V、欧州では220~240Vです。つまり、日本の電圧は他国よりもかなり低い電圧で家電が動作しています。    

アンプの定格電圧はAC(交流)100V、エフェクターの電圧はDC(直流)9Vで動作されることが多いです。

日本のアンプは100Vですね。

アメリカから直輸入したアンプは120Vです。この場合は昇圧トランスを使って120Vに上げて使う必要があります。安いからと言って直輸入をすると痛い目を見ますね。ちゃんと日本の規格にしたアンプのご購入をおすすめします。

エフェクターはDV9V電源ですね。センターマイナスの物が多いです。

定格電圧の許容範囲を超えるとどうなる?

定格電圧の許容範囲外で機材をどうさせると故障の原因になったり、パフォーマンスの低下につながりますので絶対やめましょう。

昇圧させてアンプを動作させるといい音が出るらしいぜ!といって定格電圧100Vなのに120Vに昇圧させて使われると、一時的に音圧アップ、音がクリアになったりしますが、許容値を超えているので機材に多大な負荷がかかり故障につながります。

ヴァンヘイレンのギタリスト、エディヴァンヘイレンは120Vの電圧を90Vに下げて使っていたという話があります。電圧を下げると音圧が下がり、歪み量がアップし音がマイルドになるという効果は確かにありますが、こちらも正しい使い方ではないので絶対に控えましょう。

特にライブハウス・スタジオ等のレンタル機材では絶対行わないでください

定格電圧通り、100Vであれば100Vの電圧を入力させるのが一番パフォーマンスが発揮されます。

電圧降下について

電圧降下とは、電圧を印加したケーブルや電線において、末端になるに従って電圧が低くなっていくことです。

電圧降下がより大きく起こる条件は

電線が細いほど大きくなる

電線が長いほど大きくなる

使用電流が多いほど大きくなる

細い長い電源ケーブルを使用し、電源タップでたこ足配線にしてたくさんの機材に電気を送り込むとより大きく電圧降下が起こるということです。これは音にも多大な影響を与えます。

定格電圧よりも下回った電圧を入力することで音圧がなくなり、歪み量が増え、解像度が悪くなる原因となります。簡単にいうとパフォーマンスの低下ですね。これはアンプ・エフェクター共に影響を与えることになります。

当ブログでは口酸っぱくアンプ・エフェクターの電源ケーブルは付属品ではなく、良い物に交換するべきと言っておりますが、電圧降下が音が悪くなる原因の一つだからです。

根本的な話ですが、建物の中にある分電盤からコンセント部までの経路で電圧降下しています。レコーディング等ではクリーン電源(交流安定化電源)できっちり100Vにして機材を動作させたりしますが、スタジオ・ライブハウスでクリーン電源を使うのは現実的ではないですね。

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アンプの電源について

アンプの定格電圧は基本的に100Vです。海外から直輸入したものは定格電圧が変動しますので必ず確認してそれに合った電圧に昇圧して使いましょう。

そして、付属品の電源ケーブルは基本的に電線が細く電圧降下の原因となりますので、質の良いしっかりとした電源ケーブルに交換して使用することをおすすめします。音質が改善されますよ。詳しくはこちらから。

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エフェクターの電源について

エフェクターは電池orパワーサプライorアダプターで電源を供給することが大半かと思われます。

音質に一番良いのは電池だと言われていますが、長く使用していくと電池がヘタり、だんだん電圧が落ちて行きます。その結果パフォーマンスの低下につながるので毎回電池交換を行うのであれば別ですが、電池で運用することは現実的ではないと思われます。

少数であればアダプターでも構わないと思いますが、大きなエフェクターボードを作成するとパワーサプライの使用は避けられないと思います。

パワーサプライの選定は必ず拘るべきだと考えています。エフェクターボードの中で一番ケチってはいけない部分です。

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パワーサプライの中には電圧降下が起きる前提として、送り出し電圧を9.5Vで供給してくれたりするものもあるので良さそうなものを探してみましょう。

極性について

基本的にエフェクターはセンターマイナスで動作するものが多いですが、一部エフェクターではセンタープラスで動作するものがありますので、使用する前には必ずチェックしておきましょう。

センタープラスはこういった記号になってます。極性を変換するプラグが売っているので、センタープラスのエフェクターを使う場合は購入しましょう。

9Vでも18Vでも動作するエフェクターについて

最近はこういったエフェクターが増えてきましたね。過去のレビューでもこういうエフェクターを紹介しています。

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9V→18Vに昇圧することで、ヘッドルームに余裕ができる、音圧が上がる、歪み量が軽減される、音がクリアになるという効果があります。

ただ、何でもかんでも18Vにすべきか?と言えばそうでもないです。9Vのままの方が歪み量は増すのでゲインを稼ぎたい時はそのまま運用するほうが理想的な音が得られることもあります。実際に弾き比べてみて選択するのが良いかと思います。

例えば、VEMURAMのbudiを運用する際、ゲインブースターとして運用するのであれば9V、クリーンブースターとして運用するのであれば18Vにすることをおすすめします。

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まとめ

音楽機材に置いて電圧は重要であることが分かりましたね。

定格電圧は機材を安全に使用するために守ろう

国によって商用電圧が異なるので、アンプを直輸入する際は注意

電圧降下したままアンプ・エフェクターを使用することはパフォーマンスの低下につながる

以上です。

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