Y.O.S.ギター工房のSmoggy Overdriveをレビューします。B’zの松本 孝弘さんが使用し出してから市場から姿を消し、どんどん値段が吊り上がって行っている話題のオーバードライブペダルですね。
特徴
日本の静岡県島田市にある主にカスタムメイドギター・ベース、リペア、オリジナルエフェクター製作を行っている個人工房のエフェクターペダルです。
個人で運営されているのに加え、エフェクター製作のみ行っているわけではないので、生産数が非常に限られている貴重なエフェクターペダルです。
発売当時の人気はそれほどでもなかったみたいですが、B’zの松本 孝弘さんが使用し出してから大ブレイクし、市場から消えてしまいました。
大量生産が出来ないハンドメイドのエフェクターなため、需要に対しての供給量は非常に少なく、中古市場ではどんどん値段が吊り上がりプレミア化していますね。
メーカー曰く伝統のチューブドライブサウンドをあらゆる環境で再現する、オリジナルオーバードライブ。ギターの個性を最大限生かしながら、そのサウンドに魅力的なハーモニクスと、タイトなローエンドを付加しますとのこと。
いわゆるみんな大好きダンブル系ペダルです。原音重視の歪まない系オーバードライブペダルです。
1番の特徴は美しいエフェクターケースですね。シャーシ、ノブ共に、A5056アルミニウムのブロック材から削り出され、その後高速切削スピンドル加工による天面仕上げを経て、高級感あるチタンカラーにアルマイト処理されています。
そのA5056アルミニウムは高い強度を持つので加工技術のある職人は限られています。
そのエフェクターケースの加工は畑精密工業株式会社（HATA）が行っております。この見た目の美しさはもはや芸術ですね。材料コストの大半はこのケース代ではないのか笑
ツマミはVOLUME、TONE、DRIVEの非常にシンプルな設計。複雑な設定は全て取っ払った究極のオーバードライブペダルです。
エフェクターの音作りについて
非常にローノイズで美しいガラス感のあるドライブサウンドです。ダンブル系オーバードライブの最高峰と言っていいです。現行ではこれ以上の物はないのではないでしょうか。唯一無二のサウンドです。
このサウンドのキモはもしかしたらこのエフェクターケースかもしれません。このケースで外部からの雑音を完全シャットアウトできているからこれだけローノイズで美しいサウンドになっているのではないか？と思います。
いくら回路をコピーしてクローンペダルを製作したところでこの領域に持っていくことは無理ですね。このケースありきのサウンドです。
VOLUME、TONE、DRIVE全て12時にし、エフェクトONにしてもなんの音の変化もないのがある意味面白い。これどういう作りをしているのか笑
つまり、つまみ全て12時で完全にフラットです。音量やゲイン量がフラットは勿論なのですが、音色までもがフラットです。
VOLUMEは12時を基準に上げていくと音量が上がっていきます。そこまで劇的に増幅はしない感じですね。増え方・減り方もナチュラルで特に癖がないです。
DRIVEは本当にゲイン幅がないです。ここまでゲイン幅がないエフェクターペダルも珍しいです。12時より上げていくとほんのり歪みが付加されていきます。MAXにしてようやくオーバードライブの領域にたどり着く程度です。
特徴的なのはやはりTONE。これがキモです。12時より上げていくとSmoggy Overdrive特有の極上なトーンサウンドが現れていきます。この高域の感じは他のエフェクターペダルでは真似できない美しい極上なトーンです。弾いていて心地良いサウンドですね。12時より下げることはないかなと思います。これを使う魅力が半減します。
ロックには合わないかもしれません。ファンク系のカッティング等を主体とするギタープレイではこれの右に出るペダルはないんじゃないかと思います。
総評
唯一無二の極上なトーンサウンドが特徴的なダンブル系オーバードライブペダルです。
クリーンブースターとして使っても良し、クリーンサウンドにほんのり味付けをして踏みっぱなしにしても良し、スタンダードに美しいオーバードライブサウンドを作るのに使っても良しです。
ここまでのローノイズまで持っていけたのは拘りのあるエフェクターケースのおかげだと思います。この極上な独特のトーンはこれでしか出せないですね。何かで代用するのは無理じゃないかと。
ただ、他のダンブル系ペダルでも満足できているのであれば吊り上がった値段のこのペダルを買うのはおすすめしないですね。余りにもコストパフォーマンスが悪すぎると思います。定価であればおすすめできるペダルなんですけどね。
これにしか出せない極上トーンにお金を積めるかどうかは本人次第かと思います。