Red Witch Empress Chorus をレビューします。ニュージーランドにあるブティックエフェクターブランドのコーラス・ヴィブラートペダルです。
特徴
Red Witch Empress Chorusです。何気に本ブログ初のコーラスペダルのレビューですね。
Red Witchとは?
Red Witch(レッドウィッチ)は、ニュージーランド北島の西海岸にある小さな町で、高品質のアナログギターエフェクターを生産しているエフェクターブランドです。
日本国内では有名なエフェクターブランドではありませんが、ジョン・メイヤー、スティング、エッジ、マイケル・ランドゥ等、グラミー賞を受賞するほどのアーティストから、スタジオミュージシャンにまで愛用され、高評価を受けているエフェクターブランドです。
USA Guitar Player Magazineでは「Editor’s Pick Award」受賞、Guitarist Magazioneでは「歴代ベスト101エフェクター」選出など、海外では評価の高いブランドとなっています。
製作者のベン・フルトン氏(CEO & エフェクターデザイナー)もかつてはギタープレイヤーとして活動していました。
既存のエフェクターでは自分が欲しいと思った音が作れなかったという経験と、アナログエフェクターならではの音色に魅了されて、エフェクター作りを始めたとのこと。
過去、島村楽器が輸入代理店をしておりましたが、今は終了しています。
このRed Witch Empress Chorusはコーラスだけでなく、ヴィブラートペダルとしての機能も果たせます。
つまみはMIX、DEPTHの基本的な2つに加え、VOICE、VELOCITYの計4つ搭載されています。
MIXは原音とエフェクト音のミックスレベルのコントロール、DEPTHはエフェクト効果の深さのコントロールと他のコーラスペダルと同じですが、VOICEはコーラスのディレイタイムの調整、VELOCITYは波形の揺れの速さを調整できます。
更に、トグルスイッチが二つついています。 左のトグルスイッチはヴィブラートとコーラスの切り替えスイッチ、右のトグルスイッチはBRIGHTスイッチです。右に倒すと高音域を強調させ、輝きとハリを持たせることができます。
そして、内部にもミニスイッチとトリムポッドが搭載されています。
ミニスイッチは説明書を見ても何の説明も書いておらず、何が切り替わるのか謎です・・・・。
実際私が触ってレビューしてみようと思います。
内部トリムポッドは調整することでブーストされた異なる音質に変更できます(音質が大幅に変わる可能性があるため、今の音が気に入っている場合はむやみに調整しないことを推奨)とのこと。
なんか怖いことが書いてあるのでちょっと調べてみたのですが、かなりデリケートなものでコンマ1ミリいじると歪んでしまうようです。
私物ではなくレンタル品で、セッティングが元に戻せなかったらまずいのでトリムポッドについては触らないことにしました。
触らないことを推奨するようなものをわざわざ搭載して欲しくないなあと思いつつ・・・。
エフェクターの音作りについて
原音忠実に、そのまま綺麗にコーラスエフェクトをかけることができます。
本当に何の癖もないですね。ただただ、味付けをせずにコーラスエフェクトだけかかるようなイメージです。
しいて言えば右の上のトグルスイッチを右に倒すとほんのりキラキラする程度。大袈裟にブライトになるわけでもなく、自然にかかります。
セッティングの幅は広く、コーラスの仕事をさせることについてこれで不満になることはないんじゃないかなと思います。
ローノイズですし、音質が劣化するようなことも感じられないですね。愚直にコーラスエフェクトをかけるだけのことをするペダルです。
ヴィブラートモードに関してもかなりレンジの深い揺らし方まで対応できますが、わざわざこのペダルですることなのだろうか・・・とちょっと疑問に思ってしまいました。
基本的にコーラスモードで使用するのが良さそうですね。
MIXのつまみですが、12時でフラットです。MIN~9時まではほとんどエフェクトがかからず、9時~12時では軽いコーラスエフェクトがかかります。
12時を超えると原音との混ざり具合が一気に増し、12時~15時ではエフェクト音が強めのコーラスがかかります。15時を超えるとコンプレッション感も強くなり、MAXにするときついエフェクトがかけられるようになります。
DEPTHのつまみですが、こちらも12時でフラットです。MIN~9時では深さはほとんど変わらず、9時~12時では浅くエフェクトがかかります。12時を超えると一気に深くエフェクトがかかるようになり、15時以降では大袈裟なコーラスエフェクトがかかります。
MIXのつまみと似たような変化の仕方ですね。
VOICEのつまみは12時でフラットです。MINだとディレイタイムが0なので原音と重なった音となり、9時~12時でコーラスらしいエフェクトがかかります。12時を超えるとかなり後ろで鳴ってるようなエフェクト音に、15時を超えてくるとコーラスというよりかはフェイザーのようなエフェクトになります。
VELOCITYのつまみですが、MIN~9時までは滅茶苦茶ゆっくり揺れ、9時~12時で通常のコーラスサウンドを想像するような揺れのスピード、12時を超えるとちょっと早く揺れ始め、15時を超えると爆速です。
面白い所がVELOCITYのセッティングに合わせてスイッチON時のランプが点滅します。どのくらい揺れが早くなっているのかのイメージしやすくて大変便利ですね。
最後に内部のミニスイッチですが、デフォルト時は下になっています。上に倒すと若干出力が上がり、歪み始めます。わざわざコーラスペダルで歪ませることもないと思うので、基本的に下でいいかなと思いました。
総評
原音の音色を変えることなく、綺麗にコーラスエフェクトをかけられるペダルです。
味付けが一切ないので、ちょっとさっぱりした音ですが、そういったものを好まれる方にとっては最善のコーラスエフェクターだと思いました。
ローノイズでONにしても音の劣化も感じられず、音質は良いと思います。
ディレイタイム、コーラスの揺れの設定の幅広さが素晴らしいですね。色んなエフェクトが作れます。
内部の謎スイッチと謎ポッドは触らない方が無難ですね笑
弄るときは自己責任でどうぞ。戻せなくなったら怖いので・・・。
輸入代理店がないので、値段がべらぼうに高くなっています。ちょっと手が出しにくい価格ですね。
