2022年、コロナ禍になってもう2年が経ちました。
明らかに以後と以前では機材の価格が高騰し続けています。原因は一体何なのでしょうか。
値段が落ち着くまで待っていても値下がりするどころかずっと上がり続けています。買い時はいつなのか。
そして、機材の転売とは一体どういうことなのか。
私の独断と偏見ですが、この流れをまとめてみました。
コロナ禍以前と以後の環境について
コロナ禍以前と以後で環境が激変してしまいました。
この影響でライブハウス等でライブするバンド活動が衰退し、こういった機材関連の需要が減り、価格が下がっていくんじゃないかと最初は予測していたのですが、現実は全くの逆でした。
どうしてこういったことが起きているのか・・・・。
お金の使い道が大きく変化した
人と人が関わるようなお金の使い方(外食、コンサート、複数で行うスポーツ等)にお金を使うことがなくなり、持っているお金の使い道がなくなってしまいました。
経済活動がストップはしているものの、こういったところにお金が使われないとなると貯金だけどんどん増えていく方もいることでしょう。
そうした人達が使うものは物への投資、または一人でも楽しめる娯楽への投資に変わってしまいました。
資産価値がある物へ投資する人が増えた
ギター・エフェクター等の音楽機材だけの話ではないですが、資産価値がある物への投資する人が明らかに増えています。
例えばですが、ヴィンテージの家具・ジーンズ・楽器等、レアなトレーディングカード、その他骨董品です。
私はギター、エフェクター等の音楽機材以外はあまり詳しくないですが、それでも他の資産価値がある物の値上がりが凄まじいことくらいは理解しています。
レアな少数の資産価値がある物を大人数のお金持ちが取り合っている環境になっています。
高額で買ったとしても、それはどんどん価値が上がっていくため、その人が所有している資産は増えていく・・・資本がない人にとっては地獄のような環境となっています。
ギターの需要がシンプルに増えた
一人で家でも楽しめる娯楽としてギター・ベース等の需要が増えました。
これは全くの予想外でした。バンドが出来ないとなったら皆機材を手放して価格が下がっていくのかなと予測していたからです。
実際はユーザーが右肩上がりで増えていって需要が増えていくことに・・・。
そりゃ値段上がりますよね。皆欲しがるんですもの。しょうがないです。
材料の値上がり・輸送費の値上がり・人件費の値上がり
全体的な物価価格の上昇及び燃料の値上がり、人件費の値上がり等で機材の販売価格を泣く泣く値上げする他なくなっているメーカーが増えてきました。
知ってるだけでもGibson、Fender、VEMURAM、Sumo Stomp等、ギター・エフェクターメーカーの価格改定が相次いでいます。
そうなると新品価格だけでなく、中古の市場価格も全体的に相場が上がってきて来るようになります。
円の価値の低下・海外のお金の価値が上昇
日本円は円安傾向にあり、円を握っているだけでどんどんお金が無くなっているような状態になっています。その上日本では賃金上昇はあまりないです。
そして、海外のお金の価値が増加、労働者の賃金が増加している関係で海外製品が相対的に高くなっています。
どういった機材の値段が上がった?値上げの対象は?
値段が上がったといえども、レギュラーラインの低価格帯の機材はそこまで値段が上がった実感はないです。
供給と需要が非常に安定しているためではないかなと思います。
供給が需要に対して足りていない製品、もしくは供給が全くない製品についてはどんどん価格が上昇しています。
ヴィンテージ物のギター・エフェクター
ヴィンテージ物のギター・エフェクターはそもそも価格が上昇している傾向にあったんですが、ここ数年で一気に価値が高騰しました。
それで思いつく品の代表としてはこいつですよね。
そう、ケンタウルスですよね。
ケンタウルスのレビューはこちらから!
Klon(クロン) Centaur(ケンタウルス)silver short tailをレビューします。憧れのオーバードライブペダルですよね。正真正銘本物です。オーバードライブの王様と呼ぶに相応しいエフェクターです。 裏側にはKlon[…]
私がこれを購入したタイミングは2021年1月頃でした。
この段階で緩やかにインフレが始まっていたのですが、何となく嫌な予感がしたので清水の舞台から飛び降りる気持ちで買いました。
結果、購入額28万円→100万円オーバーのとんでもない市場価格のインフレが起きたので本当に買っといてよかった・・・。
資産価値・骨董品価値のあるヴィンテージ物に投資する人が増えた関係でどんどんインフレしていっているんですよね。
買った時の額より割り増しで売ったら転売じゃないの?
って疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これに関して私は転売だとは思っていません。
製品の価値、及びお金の価値が購入した当時とは全く違うからです。
買った当時10万円で現在100万円の価値が付いたとして、その値段で手放すことを転売だとして悪と見なすのはどうなんですかね。
買った当時は円高傾向であればそもそもの円の価値が落ちているわけですし、こういった一点物は供給されることは今後一切ないため、需要ばかりハネ上がっていくので価格が高騰していくのは当たり前なんですよね。
バイオリンの最高峰のストラディバリウスを購入した額で売ってくださいと言っているようなものですよ。あまりに横柄です。
お住いの家やマンションの価値が上がったとして、買った額で手放しますかって話です。そんな人いないですよね。
ですので、こういったヴィンテージ物は欲しい時が買い時です。
よっぽどのことが起きない限り、人気のヴィンテージ物は値段が下がることはありません。早めに買わないと手が届かないレベルまで値上がりして悔しい事になります。
生産完了したギター・エフェクター
人気のギター・エフェクターが何らかの理由で生産されなくなって供給が0となった場合、または生産完了した後に人気が出てきてしまったギター・エフェクターは市場価値が上昇していく傾向にあります。
例を挙げるならばギターではこちらでしょうか。
Fender Custom Shopのマスタービルダーのジョンクルーズ製作のギターです。レビューはこちらから!
今回紹介するのはFender Custom Shop Master Built Series 1960 Stratocaster Relic by John cruz 2008です。ヘッド[…]
フェンダー社をとある理由(結構まずいことをやらかした)で退職されたジョンクルーズ製作のギターです。
元々、大変人気のあるギター職人だったので、フェンダーに在籍されていた当時からなかなかの価格だったんですが、退職されて供給が0になってからは市場価値がどんどんインフレしていっています。
ジョンクルーズは独立してギターを作り続けていますが、販売価格はそれよりも高い値段になっていて笑いました。ジョンクルーズ本人は自分の職人としての価値を大変理解されておられる笑
エフェクターではこちらが代表的ですかね。
Ibanez VEMURAM TSV808です。レビューはこちらから!
Ibanez(アイバニーズ) VEMURAM(ベムラム)Tube Screamer Overdrive Pro TSV808 をレビューします。定番オーバードライブペダルであるIbanez "Tube Screamer" + Vemura[…]
IbanezとVEMURAMのコラボ商品の限定生産品となっております。
発売された当時は普通に予約して買えていたため、そこまで入手難易度は高くなかったです。
販売終了後、TSV808が徐々に評価され始め、今では販売価格の3倍近い値段へ・・・・。もう手が出ませんね。
今まで弾いてきたオーバードライブペダルの中でもトップクラスに優れていると思うので、そのくらいの市場価値が付くのも致し方ない。
供給が需要に満たすことが困難なハンドメイド製品
ハンドメイド製品のため、生産される台数が少ないのに需要が滅茶苦茶高いような商品はインフレしていく傾向にあります。
当然ですよね。供給が追い付かない、追い付くわけがないのですから。
工場で量産できるようなものは高騰するケースはほぼないです。あったとしても一時的なもので時間が経てば落ち着いてきます。
代表的な製品はこちらですね。
SUMO STOMP Long Tail #873です。レビューはこちらから!
SUMO STOMP Long Tail #873をレビューします。金ケンタウルスのロングテールのクローンペダルとなります。 裏側の中央に貼られているシールまで完コピしているのでとても芸が細かい笑特徴国産ハンドメイドエフェクター[…]
ケンタウルスの限りなく高いクオリティで再現したペダルです。ハンドメイド製品のため、どうしても大量生産することができないようです。
ケンタウルスクローン関連は人気になる傾向ですので、こちらもなかなか供給が追い付かず、値段が落ち着いてきません。
ギター・ベース関連はやはりFenderのマスタービルドシリーズ含むカスタムショップ関連、Gibsonのカスタムショップ関連、PRSのプライベートストック等のフラグシップモデルは市場価格が上昇している傾向にありますね。
定価より値段が高くなるなんてことはないですが、中古の市場価格は明らかに高くなりました。昔の値段を知っている身からするともう買う気がしないレベルで高いです・・・。
定価よりも高い額で売るのは転売じゃないのか?
上記でも記載したように、ヴィンテージ物等の骨董品価値として定着した製品、生産完了してしまっている製品については転売とは言い難いです。
供給がそもそも0なんですから。供給=需要で満たされたものだけが定価価格で取引されるのが通常だと考えています。
供給が0の物を大人数が奪い合うとどうしても価格はインフレしていきます。コロナ禍以後はその傾向がさらに強くなったように思います。
そのインフレされた額でも欲しい人がいる限り続きます。それに価値を見出しているわけですから、その製品が人気である限りは値段が下がることはないと考えていいです。
代表的な物だとレスポールバーストですよね。1958,1959,1960年代に生産されたレスポールです。
現在ではありえない価格まで価値が上昇していますが、今後も価値が上がっていくことでしょう。そのうち、ギター界のストラディバリウスと呼ばれるかもしれませんね。
現在も生産されている品については供給が上回れば定価を下げて販売されますし、需要が上回れば値上げするなりなるはずです。某メーカーがそうしたように。
悪質な転売というのは
使いもしないのに販売されている製品を買い占めて供給を滞らせ、不当に値段を吊り上げて販売し、利益を得る行為
と私は考えています。
有名どころだとPS5とかニンテンドーSwitchとかがそうですよね。
これの厄介な所はメーカーが売れるからと言って大量に生産すると転売ヤーも撤退を余儀なくされて大量に市場に製品が出品されて価格崩壊を起こすところです。
過去にたまごっちとかがそうなってワゴンセール行きとなってしまいました。
エフェクターでも同様なことが行われています。
メジャーどころだとこちらですね。
Y.O.S.ギター工房 Smoggy Overdriveです。レビューはこちらから!
Y.O.S.ギター工房のSmoggy Overdriveをレビューします。B'zの松本 孝弘さんが使用し出してから市場から姿を消し、どんどん値段が吊り上がって行っている話題のオーバードライブペダルですね。特徴日本の静岡[…]
某有名ギタリストが使いだして人気が爆発したエフェクターですね。
最初は早い者勝ちで販売されていましたので、やはり転売ヤーの餌食になっていました。
ここ最近は抽選販売が増えていますが、それでもワンチャン狙った人が抽選に参加していますね。
中古販売も新品より高いです。某ハードオフや楽器屋も定価より高い値段で販売していることが多々ありますが、それは買取がそもそも新品定価よりも高い額で行われているはずなので、そこを責めるのは私はどうかと思います。彼らはボランティア活動しているわけではなく、商売をしているわけですから致し方ない。
現在も値段が落ち着く傾向にないので、転売ヤーが撤退するくらいの供給量にならない限り当分続くかと思います。
転売ヤーをどうにかして排除できないの?対策は?
私が知りうる限りで転売ヤーを排除したメーカー・製品の代表はこちらになります。
Phatom Fx Motherです。レビューはこちらから!
Phatom Fx Motherをレビューします。国産のエフェクターブランドのファズペダルです。販売すれば即完売、抽選申し込みも倍率が凄まじい大人気ファズペダルです。 特徴日本のエフェクターブランドのPhatom Fx Mothe[…]
販売当時は早い者勝ちでやはり転売ヤーの餌食になっていましたが、そこで抽選販売に切り替えました。
そこでもやはりワンチャン狙った転売ヤーが後を絶たなかったため、予約制の順次順番待ち(ウィッシュリスト制)で販売することに変更しました。
本当にMotherが欲しいと思う人だけウィッシュリストに登録され、自分の番がくるまでひたすら待つ・・・みたいな販売方法でした。
この方法で順次Motherが欲しい人に行きわたり、現在では市場価格も定価より上回るようなプレミア価格になることもなく、無事転売ヤーを排除することに成功しました。
私はこの状況になった時、正直滅茶苦茶嬉しかったですね。メーカーが正しい対策をすれば転売ヤーを排除できるんだと。
PEDAL SHOP CULTの執念の勝利だと思います。
難しいかもしれませんが、こういった転売ヤーの餌食となってしまったメーカーもぜひ同じ対策をしていただきたいと心から願うばかりです。
余談ですが、PS5もAmazonはこの方法を最近導入していましたね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
機材を愛する者達には苦しくなった環境になっていることには違いありません。ですが、もう元の環境には戻らないと私は思います。
しょうがないですよね。社会情勢からしてこういう傾向になりがちです。
本当に欲しい物は意地でも買う執念を持つしかないかなと考えています。
価格高騰している製品の買い方については以下の通りです。