Free The Tone(フリーザトーン)FUTURE FACTORY FF-1Y RF PHASE MODULATION DELAY をレビューします。プロ御用達ブランドのフリーザトーンのデジタルディレイエフェクターです。
特徴
Free the tone(フリーザトーン)のデジタルディレイペダルFUTURE FACTORY FF-1Y RF PHASE MODULATION DELAYです。
もう皆さんご存知のハイエンドで優秀な製品を数々販売している国内メーカーですね。
「新たなサウンドの創造」これがFUTURE FACTORY FF-1Y開発のキーワード。
これまでモジュレーション機能を搭載したデジタルディレイが、多数生み出されてきましたが、一般的にモジュレーション機能に使うLFO(低周波発信器)の位相は、設定された周期で規則性をもって変化します。FUTURE FACTORYでは、信号が一定の減衰レベルを通過した際、ランダムに位相が変化する独自の方式でモジュレーションサウンドを作り出す事に成功しました。これにより、音が揺らめきながら浮き上がり、空間を埋め尽くす様なこれまでに無かったサウンドを創り出します・・・とのこと。
これがとにかく多機能でデジタルディレイでやれることを全部網羅してるのでは?というくらいです。
EQ、ディレイタイム、フィードバック等のステータスはつまみによる感覚的に調整するのではなく、中央のディスプレイで数字が表記されますので、的確な音作りをすることが可能です。 ステレオ端子、エクスプレッションペダルの端子、MIDI端子も導入されております。 センターマイナスDC9V電源で供給なのですが、やはりデジタル機器、かなり電力を食うので350mA以上供給できる物が必要です。
付属品でアダプターがついてるのでそれでも問題ないかと思います。
左上のMIX、FEEDBACKのつまみでは原音とディレイ音のMIXレベルの調整とフィードバック量の調整ができます。これももちろんステータスは中央のディスプレイで表記されます。
SOFT CLIPPINGではディレイ音の音量調整と歪み量の調整ができます。ディレイ音だけ歪ませられるので独特な機能ですね。
MODEスイッチではFF-1Yは2台のディレイエフェクター(A,B)が内蔵されているので、それの接続モードを切り替えます。
STANDBYスイッチは上記のA,BのディレイエフェクターをどちらかOFFにしたいときに使います。
PANスイッチはステレオ接続時はディレイ音のパンニングの深さと速度、通常時はトレモロの深さ、速度を調整。 MODスイッチはディレイ音のモジュレーション効果をかけるときに使います。揺らし系ですね。
OUTPUTスイッチではMIX、OUTレベルの調整、ディレイ音のON、OFFの切り替えができます。 EQスイッチでディレイ音の3EQのコントロールができます。 A-DLY-BスイッチでAとBのどちらのディレイを設定するかの切り替えです。
あとは右下のパネルでプリセット機能とタップテンポ機能の設定するスイッチとなります。1~4までプリセットを保存することが可能です。
書いてるだけで訳わからなくなるくらいディレイの設定ができますね。各種設定をディスプレイに表示させたら右上のつまみでコントロールしていくイメージです。
エフェクターの音作りについて
原音忠実にクリアにディレイがかかり、非常に高音質です。 音の劣化が一切感じられず、とにかく綺麗。
デジタルディレイに良いところですね。音の曇りが一切ない。
綺麗すぎるがゆえにデジタル臭い感じは否めないですけど、デジタルアレルギーがない人は特に問題ないかと。
ディレイタイム、フィードバック量、MIX量等全て数字で表記されるので、正確に設定できるのが強みですね。
このテンポの曲にはこのディレイタイムだと8分音符になるな!みたいな。 つまみだけのディレイぺダルだと正確性に欠けるんですよね。ちょっとズレたら音符の配置がぐちゃぐちゃになって気持ち悪いディレイになったりとか・・・。
やはり、ディレイペダルは具体的な数字で表記されていてほしい感じはします。
4つほどプリセットを記憶できるので、対応力あるのも魅力的。
MIXのつまみは12時を基準に下げていくとよりディレイ音と原音が分離して輪郭が出てくるようになり、12時より上げると原音と混ざっていきます。MINにするとバイパス時と同じですね。
フィードバック量もここまで使うことあるの?というくらいまで増やせられますので特に問題なし。
SOFT CLIPPINGのつまみですが、LEVELは12時がフラットでそこから下げると原音より音量が小さく、12時より上げていくと原音よりも大きいディレイ音になります。これは使い勝手がいい。
それに対してGAINですが、ちょっとデジタルの悪いところが出てますね。滅茶苦茶違和感のある歪み方をします。ただグシャっとなるだけみたいな笑。
3EQのセッティングも全部数字で表記されるので便利ですね。
PANスイッチは正直、使うことあるのかなこれ・・・という感じはします。ディレイ音がゴチャゴチャするだけみたいな印象。これは使ってみてくださいとしか言いようがない笑
MODスイッチでのモジュレーション効果は結構大袈裟にかけられますね。グワングワンなるまで音の位相をずらせます。飛び道具的に使うのもありかも。コーラス・フェイザーのようなイメージなのかなと思ってましたけど、全くの別物。これはこれの音!みたいな笑
ただやはり凄く取っつきにくいですね。説明書片手に一つずつ確認していかないとちょっと難しい。使いこなせるまでにかなり時間がかかりそうです。
総評
クリアで鮮明なディレイ音かつ多機能で優等生なデジタルディレイペダルですね。音質はやはり抜群に良い。
デジタルディレイとしての性能は100点と言ってもいいでしょう。デジタルの悪い所も思いっきり出てきてますが笑
やれることが多彩すぎてかなり取っつきにくいです。使いこなせたらこれより心強い物もなかなかないですが。
プリセットの読み出しが長押しで切り替わっていくのがちょっと面倒ですかね。普通に踏んじゃうとタップテンポ機能が出てきちゃうのでライブ中に事故を起こしてしまいそう。
曲中にディレイの切り替えは難しいかも。慣れたら何とかなるのか・・・?
ちょっと玄人向けですね。ディレイに滅茶苦茶拘りがある人だけ導入すれば良いかなと思います。かなり細かくセッティングできるがゆえにめんどくさい。