ZOOM ( ズーム ) MS-50G MULTISTOMP マルチエフェクターをレビューします。
コンパクトでありながらも様々なエフェクトが搭載されている定番のエフェクターですね。
特徴
ZOOM ( ズーム ) MS-50G MULTISTOMPです。
コンパクトエフェクターと同じサイズでありながらも様々なエフェクトが搭載されているマルチエフェクターです。
全172種類のエフェクターが搭載されており(100種類+ファームウェアアップデートで72種類)、そこから最大6種類のエフェクトを同時にONにすることが可能です。
多種多様のエフェクト
合計5つのカテゴリから選択する事が可能です。
ダイナミクス/フィルター
コンプレッサー、ノイズゲート、フィルター、EQ、ワウなど20種類以上が内蔵されています。 MXR Dynacomp、Aphex PunchFactoryなどの定番エフェクターも搭載。
オーバードライブ/ディストーション
ブースター、オーバードライブ、ファズなどのエフェクターが内蔵されています。BOSS OD-1、DS-1、Metal Zone、Fuzz Face、Pro Co Ratなどの定番モデル21種類を内蔵しています。その他にもアンプシミュレーター等もあります。
アンプ
Fender、Marshall、Two Rocks、Diezel、ENGLなどのチューブアンプやソリッドステートアンプのエミュレーションを8種類内蔵しています。
モジュレーション/スペシャルエフェクト
フェイザー、フランジャー、コーラス、ピッチシフト、トレモロ、ビブラート、リングモジュレーション、オートロータリースピーカー・シミュレーション、オートパン等のエフェクトが内蔵されています。Boss CH-1 Super Chorus、CE-1 Chorus Ensemble、ADA、MXR 117R等の定番モデルも搭載。
ディレイ/リバーブ
22種類のリバーブ/ディレイエフェクトを内蔵しています。残響のルーム、ホール、アリーナ、プレート、スプリングリバーブや、テープディレイシミュレーターも内蔵されています。また、リバースディレイやピッチシフト、フィルターやマルチタップ、自己発振が可能な各種ディレイも内蔵し、空間系エフェクトで必要なものはすべて揃っています。 エフェクターの絵でどのモデルを採用しているのか一目で分かる作りになっています。これはTS-808ですよね。 中央の3つのつまみでセッティングできるようになっています。セッティングできる数の多いエフェクトだと2ページ目に続きます。数字で表記されるので分かりやすいですね。
エフェクターの接続順入替機能
エフェクターの接続順を入れ替えることも可能です。これによってエフェクトのかかり方が若干変わりますね。
パッチメモリー機能
作っておいたセッティングをパッチメモリーに保存しておけばすぐ読み出しが可能。
フットスイッチで切り替えすることも可能です。A~Zのアルファベットを登録することが可能でフットスイッチを踏むたびにA→B→Cと切り替わっていきます。
Cまで登録しているのでしたらC→Aに帰ってくるイメージです。 あんまり多くの数を登録しすぎると何回も踏んで読み出すことになるので、やりすぎは禁物。
チューナー機能
チューナーも内蔵されているのは便利ですね。フットスイッチ長押しで読み出すことが可能。 レギュラーチューニングだけでなく、特殊なチューニングのセッティングもできます。これは便利。 消費電力がちょっと多いです。 DC9Vの500mAなんですよね。まあ実質デジタルエフェクターだからそりゃ容量食うよね。 パワーサプライで運用する場合は注意が必要。基本的にはアダプター運用になるかなと思います。
エフェクターの音作りについて
多種多様なエフェクトで作っておいた音を瞬時に読み出せる便利な小型マルチエフェクターです。
先に作っておいてパッチメモリーに記憶しておけばフットスイッチを踏むだけで瞬時に切り替えることができるので滅茶苦茶便利ですね。
172種類のエフェクターがあるので、基本的にはマルチエフェクターと同じような使い方で問題ないです。
気になるのは音質ですが、やはり大型で高額なマルチエフェクターには負けます。そりゃそうですけど。
それでも十分に使えるエフェクトもあるので、ちゃんと見極めて使っていけばコストパフォーマンスは抜群ですね。
ダイナミクス/フィルター
このカテゴリのエフェクトは十分許容範囲かと思います。オリジナルと比べると若干痩せた感じは否めないですが、値段考えると全然あり。
ワウペダルは基本的にオートワウになります。一部ワウエフェクトだけ露骨に音痩せが感じられますが、それは使わなければいいだけですので問題ないかなと思います。
オーバードライブ/ディストーション
歪みは全く期待していなかったのですが、これも全然使えますね。音色の再現は割とそれっぽい。これもオリジナルと比較すると若干音圧がなくなったり、デジタル臭さは残ってたりしますけど、全然許容範囲。
TS808、TS9、BIGMUFF、OD-1等の歪みエフェクターのスタンダードモデルが搭載されています。
気に入らなければ通常のマルチエフェクターと違って、歪みエフェクターは別で導入すればいいだけですのでここにない物は買ってきましょう。
アンプ
これは全然ダメでしたね。アンプの音どころか音質は最悪。全てハイが不自然にギンギンでローがほとんどなく、スカスカな音。
かなり安っぽい音になるので使わない方がいいです。オーバードライブ/ディストーションカテゴリで歪みは運用したほうが良さそうですね。
モジュレーション/スペシャルエフェクト
コーラス系は割と使える音ですね。これも許容範囲。トレモロ、フランジャー、フェイザー系は若干音痩せが気になるモデルが多かったように思えます。まぁ、ちゃんとエフェクトを選べばこれも問題ない。ピッチシフトはちょっときつい。
ディレイ/リバーブ
ディレイ・リバーブだけやたら出来がいい気がします。特に問題なく使えそう。音痩せ等もそこまで気にはなりません。
高価格帯のデジタルディレイ・リバーブにはそりゃ負けますけど、1万円台のディレイ・リバーブくらいの力はあるかと思います。
総評
多種多様なエフェクトで作っておいた音を瞬時に読み出せる便利な小型マルチエフェクターです。
音質面は流石に良いとは言えませんが、値段考えるとかなり頑張っている方だと思います。
家で色んなエフェクターで遊ぶ分には全く問題なし。
これの使い方としては基本的にコンパクトエフェクターで運用している人が複数のエフェクトをかけた音を瞬時に読み出せるようにどこかのループに積んでおく感じでしょうか。
拘りのある歪みエフェクターループにこれを1個積んどいて複数の空間系を合わせたりするような使い方ですかね。
セッティングもほぼ無限大に記憶できるので、曲ごとにパッチメモリーを記録しておけばフットスイッチで読み出して次の曲~みたいな事も行けますしね。
欠点としてはやっぱり一部エフェクトの音痩せ、高価格帯のマルチエフェクターと比較すれば音質面、フットスイッチが1個しかないのでパッチメモリーから読み出すのに何回も踏む必要があるといったところでしょうか。
音質の拘りが強かったり、記憶させる音がたくさん必要みたいな人は素直に高価格帯のマルチエフェクターを買うのをおすすめします。
これは一部楽曲、フレーズにピンポイント採用するのに向いているのかなと思います。