ギター・ベース・アンプさえしっかりしてればシールドなんて適当でも良い音が出るだろ!そんなに影響なんてないだろ!って思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。確かにギター・ベース・アンプの音の影響に比べればウェイトは小さいかもしれませんが、ある程度しっかりした物を選ばなければ大きな影響が出てしまいます。このページではその理由を説明します。
シールドはなぜ「シールド」と呼ばれているのか
当たり前のように「シールド」と言えばギターとアンプ間をつなぐケーブルの事だと呼んでいますが、どうして「シールド」と呼ばれているのか・・・
空気中には様々な電波・雑音(ノイズ)が飛び交っています。電化製品は常にそれらを発生させています。ただの導線をギターとアンプ間をつないでも電気信号は伝わるのですが、外部からの電波・雑音の影響で電気信号の波形は崩れてしまいます。音は特にデリケートで、少しでも電気信号にノイズが乗ってしまったり波形が乱れてしまうと音がモヤモヤする、ノイズ音がする、歪んでしまうといった影響が出てしまいます。
簡単なケーブルの断面(一部例外あり)です。導体に電気信号が流れているのですが、これが露出したままだと外部からの電波・雑音の影響をダイレクトに受けてしまうので、それを金属シース(シールド)とジャケット(被覆)で防護しています。
シールドと呼ばれている理由は「電波・雑音から導体を守る盾(シールド)」といったところが由来でしょう。
シールドによる音への影響
シールドを取り替えることによって音への影響はどういったものがあるのでしょうか。一つ一つ解説していきます。
1.ノイズ
良いシールドに取り替えるとノイズが軽減されます。電気信号でのノイズですので「ジジジ」といった電源ノイズではなく「サー」と音がするホワイトノイズの事です。ノイズが乗っているということはそれだけ電気信号の波形が乱れているので音に芯がなくなったり、ハリがなくなったり、ハウリングの原因になったりします。
2.解像度
良いシールドを使えば音の解像度もよくなります。モヤモヤして何を弾いてるのか分からないサウンドってよくありますよね。そういったことがなくなり、音が明瞭になり、説得力が増します。写真の解像度の高いものと悪いものを見比べても、解像度が高い方が綺麗に見えますよね。音も同じです。
3.音の分離
良いシールドを使えば音が綺麗に分離してくれます。コードを一発ジャーンと鳴らしても1音1音綺麗に聴こえてくるようになります。
4.音圧
良いシールドを使えばパワーもよくなります。正確に言えば、電気信号の劣化が少なくなり音痩せが緩和されます。ギターを弾くからには迫力のある音のが気持ちが良いですよね。
5.キャラクターの変化
ギター・アンプを取り替えるよりは微弱な物ですが、シールドにもキャラクターがあります。枯れたヴィンテージサウンドであったり、艶やかなモダンサウンドにであったり変化をもたらすシールドがあるので、お好み音がするシールドに取り替えてやるのがベストです。
5.音域の変化
シールドの中にはローがブースト、ミドルがブーストされるような特定の音域だけ強調してくれるものがあります。アンプ・エフェクターのイコライザーで調整はできるのでそこまで影響はないかもしれませんが、こういった事が積み重なってくると大きな影響につながります。
シールドを取り換える優先度が高い箇所は?
ギター・ベースとアンプを直接挿して演奏するスタイルの方には関係ないですが、大半の方がギター・ベース~エフェクター間、エフェクター~アンプ間で2本シールドを使用する方が多いのではないかと思います。ベストなのは2本とも変えてあげるのが一番ですけど、予算の都合上で1本しか取り替えられない方もいらっしゃるかと思います。どちらの方が音に影響があるのでしょうか。
ケーブルは電気信号が発生する1次側の影響の方が大きい
ということです。ギター・ベースのマイク(ピックアップ)で音を拾いますよね?つまりギター・ベース側が1次側です。ケーブルの特性上、電気信号の1次側の影響が大きく、末端になっていくにつれて影響は弱くなっていきます。つまりギター・ベース~エフェクター間のシールドの方が音に対して影響は大きいということになります。
とにかく、ギター・ベース~エフェクター間のシールドは良い物に取り替えておくことをおすすめします。
結論
いかがでしたでしょうか。結論として
シールドは電波・雑音から電気信号(音)を防護してくれる役割がある
良いシールドに取り替えることで音質が改善される。また、音にキャラクターを付加させられる。
ギター・ベース~エフェクター間のシールドを最優先で取り換える
以上です。せっかく良いギター・ベースを買ったのに100%の力が発揮されないのは悔しいですよね。シールドも良い物に取り替えてあげましょう。