Wampler Pedals Pinnacle Deluxe V1をレビューします。同社初期に作られていたPinnacleを再現したモデルです。
特徴
アメリカのエフェクターブランドWampler Pedals Pinnacle Deluxe V1です。同社を代表するブラウンサウンド系ディストーションペダルです。
Wampler Pedalsとは?
Wampler Pedalsは、北米インディアナ州の州都インディアナポリスに程近いマーチンズヴィルにある、プライベート・ペダルビルダーBrian WamplerがCEOのハンドメイドエフェクターブランドです。
ギタープレイヤーでもあるブライアンは、常にギター、アンプ、ペダルなどのあらゆる組み合わせをテストしています。
7歳でギターを弾き始め、数々のアマチュアバンド・ハウスバンドで活動するうち、エフェクトペダルの面白さに魅せられるようになり、当初は友人達のために、ペダルのモディファイや製作を行っていましたが、やがて彼の技術と独自性を認めた人々から、次々と仕事の依頼が舞い込むようになります。
そして2004年、彼はペダル工房を本業とすることを決心し、Wampler Pedalsを立ち上げました。
トレンドに左右されず、ギタリストが本当に欲しいものを作るというのが、彼のポリシーであり、それを支えるのが、彼自身の20年以上に及ぶギタープレイヤーとしての経験で養われた耳です。
ペダル製作者の独りよがりではない、本当にミュージシャンのためのデバイスを作るというのが、彼の理念です。 回路構成・配線・パーツのチョイスから塗装仕上げに至るまで、全てにおいて妥協を許さず、誰もにとって価格にふさわしい価値のあるペダルとなっています。
初期にはPinnacleがあったのですが、これを元に作られたのがWampler Pedals Pinnacle Deluxe V1です。
後継機種としてWampler Pedals Pinnacle Deluxe V2もあります。 V2では3EQに変更されていますが、こちらは1トーンのみとなっております。
ブラウンサウンドからクラシックロック、アンプのオーバードライブから唸るようなメタルサウンドまで幅広くカバーできるとのこと。
つまみはVOLUME、TONE、GAINのスタンダードな物に加えて、Contourの計四つとなります。
一体Contourとはなんのコントロールなのか・・・。よくわからなかったので実際使ってみてレビューしたいと思います。
ModernとVintageサウンドの切り替えスイッチもあります。そしてブーストスイッチも搭載。 割と多機能なディストーションペダルですね。
エフェクターの音作りについて
王道のオーソドックスなディストーションサウンドですね。本当に何の癖もないストレートなサウンドです。
ブラウンサウンド系となっていましたが、正直そんなイメージは感じられないですね。
音の帯域のバランスも良く、ノイズも少ないですし本当にオールラウンダーなディストーションです。
音作りの幅・ジャンルの守備範囲は広いです。 良く言えば何にでも合う使いやすいスタンダードなサウンド、悪く言えば癖のない普通の音笑
切り替えスイッチですが、Vintageにすると音が若干引っ込み、広がりのあるサウンドになります。
Modernにするとその逆で、音がハッキリと前に出てくるようになり、パワフルなサウンドになります。
好みの範疇かなと思いますね。どっちも使える音です。ガンガンリードギターで使うならModern、バッキングギターであればVintageで使うとハマりそうです。
ブーストスイッチを踏むと主に歪量がブーストされますね。音量はほんの気持ち持ち上がる程度です。歪みが深くなり、ザラザラとした音色に変わります。 踏みっぱなしで音を作っても良さそうですね。
TONEのつまみですが、12時でフラットです。9時~15時くらいでは緩やかに変化していきますが、MIN~9時と15時~MAXの可変が急激ですね。トーンレンジの幅は広いです。思いっきり籠らせた音やキンキンにした音まで幅広く作れます。
VOLUMEのつまみは11時でフラットです。こちらのレンジもそれなりに広い。9時より下げるとほとんど音が消え、14時で大きめの音、MAXにすると爆音ですね。
GAINは12時でフラットです。9時より下げると音がほとんど消えます。9時~11時でオーバードライブ、12時からがっつりディストーションサウンドとなりますね。12時以降もガンガンに歪んでいき、MAXにすると滅茶苦茶深い歪みまで追い込めます。ゲインレンジの広さも優秀ですね。
ContourのつまみはMINでフラットです。MINから上げていくと徐々に音にコンプレッションがかかってグシャと潰れていきます。MAXにすると分離もくそもない潰れた音になります。MINを基準にほんのり上げてやる程度でいいのかなと思います。かなり音を潰していけます。使えるかどうかは別として笑
総評
王道のオーソドックスな癖のないディストーションサウンドとなります。 音作りの幅も広く、あらゆるジャンルに対応できますね。
これを使えばこの音になる!系の歪みペダルではないですね。
万能なペダルですが、特に尖った特徴もないので、そういう意味では面白みがないのかもしれません。
各種つまみのレンジ幅がかなり広く設計されているのもいい点ですね。
エフェクター一つで色んなディストーションサウンドを作りたい人におすすめですね。
癖のある尖った音が欲しい人には無縁のペダルではないかなと思います。 現在は後継機種のV2が出ています。3EQとなっているのでさらに音作りの幅が広がっていますね。