PETTYJOHN Electronics(ペティージョンエレクトロニクス) GOLDをレビューします。ヴィンテージマーシャルサウンドを再現したモデルになります。
特徴
アメリカのエフェクターメーカーPETTYJOHN Electronics(ペティージョンエレクトロニクス)のヴィンテージマーシャルアンプからインスパイアされて製作されたオーバードライブペダルです。
つまみはLEVEL、GAIN、LOWS、MIDS、HIGHSのオーソドックスなコントロールに加えて、MID FREQというつまみがあります。
これは、400Hzから2kHzまでの幅広くスイープ可能で8dBのブースト/カットが可能なミドルコントロールとなっています。
音作りはこのMID FREQをどう料理するかがキモとなってきます。
内部にも二つトグルスイッチが付いています。 左のトグルスイッチがゲインアンプのヘッドルームをコントロールするスイッチです。
上にするとローゲインヘッドルームモードになり、ハーモニクスが追加され、低音がわずかに締め付けられることでブレークアップとゲインの感覚が高まります。
下にするとハイゲインヘッドルームモードになり、ハイダイナミックでタッチセンシティブなドライブとなります。
右のトグルスイッチはヴィンテージアンプスタイルのオレンジドロップコンデンサをHigh EQ回路に追加します。
なかなかの多機能で複雑な設定の必要なペダルですね。中にトグルスイッチある系のペダルは非常に使いにくいのでちょっと大変です。
そして重量がなかなかヘビィ・・・・。重量感が凄いですね。
エフェクターの音作りについて
粒の粗めの王道のマーシャル系サウンドのオーバードライブですね。これぞマーシャルサウンド!といった感じです。
結構ローががっつり出てきて迫力のあるサウンドですね。全部フラットだとかなりドンシャリ気味です。MID FREQの加減で後ろに引っ込んだバッキングに合うサウンド、前に出してリードに合うサウンド両方作れてしまいます。
LEVELのつまみは12時でフラットでそこから微調整になるかなと思います。音量は結構上がってくれます。LEVELを上げ気味にしておいてギターソロ時にONみたいな使い方でも良さそうです。
GAINのつまみは12時でフラットですが、かなりゲイン幅は少なめです。下げても上げてもオーバードライブの領域から脱却しません。その範囲内で歪み量が調整できる感じです。
9時より下げると音圧も下がっていきますね。9時以降上げていくと音量も徐々に上がっていきます。GAINフルテンにしても歪み過ぎってわけでもなく、普通にオーバードライブサウンドとして使えるレベルだと思います。
LOWSのつまみは7時~12時の変わり方は大きいですが、12時以降はそこまで変化はないですね。ちょっと癖があります。9時より下げるとスカスカで使い物にならないですね。9時~12時でローカット気味のサウンド、12時以降でローががっつり出た迫力のあるサウンドになります。もっとローを出したいなと思ってもそこから変化量が微量になっていくので極端な事にはできないですね。
HIGHSのつまみは2時くらいでフラットです。12時くらいだと若干籠るかな?みたいなサウンドになります。こちらのレンジはかなり広いです。MAXまで上げるとキャンキャンな音に、2時から下げていくと籠った音に変化していきます。
MIDSについては、MIDFREQと両方コントロールしていく必要があります。MIDFREQでMIDSコントロールの効き方が変化していくイメージですね。両方12時だと籠った感じの音になります。
リードサウンドを作る際はMIDFREQをフルテンにしてMIDSでその可変域をコントロールしていくのが使いやすいかなと思いました。バッキングサウンドはMIDFREQを12時くらいにしてその可変域でコントロールしていくといいかなと思います。
内部の二つのトグルスイッチですが、右側のスイッチをONにすると若干明るめのサウンドになります。そこまで大きくキャラクターが変わるわけでもないなぁといった印象です。正直どっちでもいいですね。私はONにしたほうが好きです。
左側のヘッドルームをコントロールするスイッチですが、上にしてローゲインヘッドルームモードにすると音にコンプ感がかかり、歪み方が若干きめ細かくなります。荒々しくならないちょっと優等生みたいなサウンドになりますね。
下にしてハイゲインヘッドルームモードにするとダイナミクスレンジが広くなり、歪み方が粗いマーシャルサウンドに変化します。こっちの方が音圧が出ますし、ピッキングニュアンスもつけやすくなりますね。
総評
音の粒が粗い迫力のあるマーシャル系オーバードライブペダルですね。思ったより歪んでいかないので、オーバードライブではなくディストーションサウンドを作りたければ他のペダルを使った方がよさそうですね。
マーシャルアンプのハイゲインのチャンネルではなく、クランチモードチャンネルの歪みペダルと言えば分かりやすいでしょうか。
歪み量はかなり細かく設定できるので、マーシャルのオーバードライブサウンドに拘りのある人が使うと幸せになれるペダルかもしれませんね。
ミッドハイのコントロールのレンジがかなり広いので音作りの幅は広いと思います。
重量感があるのと、内部のトグルスイッチを変えるのにわざわざドライバーでネジを外して開けないといけないのがめんどくさいです。
その点以外は優秀なオーバードライブペダルではないかなと思います。