ランドグラフ ダイナミック オーバードライブ（DOD）をレビューします。裏側にはサインと型番、製造番号が記載されています。
特徴
海外の高級エフェクターメーカーのランドグラフのオーバードライプペダルです。機材に詳しい方なら馴染みのあるメーカーかと思われます。
全てJohn Landgraff（ジョン・ランドグラフ）というビルダーがハンドメイドで製作されています。現在、ランドグラフはお亡くなりになられているのでプレミア化しています。新品価格7万円で販売されたことで世間からは高すぎるとバッシングされていたようです。
DODはランドグラフのエフェクターの中で最も有名なエフェクターです。マーブル模様が特徴的なデザインですね。マーブル模様は個体ごとに異なります。同じデザインがないです（中にはマーブル模様ではなくて単色のデザインもありますが）。
TS系のオーバードライブペダルの中では最強と言われることが多いですね。回路図はTSとほとんど違いがないみたいです。ですが、音は全くの別物となります。どうやって作成されていたのかはご本人がもうすでにいないので聞くことができないですが・・・・。
つまみは左ゲイン、中央トーン、右ボリュームとなっています。3WAYのトグルスイッチがあるのが特徴的ですね。上からマーシャル系、中央ダンブル系、下TS系となっております。
エフェクターの音作りについて
肝心な音なんですけど、音色としては滅茶苦茶普通です。高いからきっととんでもない音がするんだろうと身構えていると拍子抜けします。しかし、滅茶苦茶いい音です（笑）。ランドグラフペダルでしか表現できない何とも言えない質感を出してくれます。TSを最高に上質にしたような音と言えば良いでしょうか。
よく、アンプライクなサウンドですとの表現されるペダルが多いですが、これぞアンプライクだという感じがします。どうしてもエフェクターで歪を作るとドライなサウンドになりがちなのですが、こちらはしっとりとしたジューシーなサウンドです。ランドグラフ独特の奥行きがあって聴いていてとても心地良いです。
レスポンスの良さも素晴らしいですね。ピッキングニュアンスもつけやすいです。
DODのクローンがいまだに数多く作れています。そちらも試しに弾き比べたことがあったのですが、やっぱり本物のウェットサウンドは表現できていませんでした。
3WAYトグルスイッチですが、ボリュームの出方が全部違うので曲ごとの使い分けとかはできないですね。中央にすると歪み方がやや弱く、ボリュームが強く出てきます。クランチサウンドに使ってみたり、ブースターに使ってみるとよさそうです。下にすると一番コンプ感がかかって良く歪みます。代わりにボリュームが一番弱いです。上はその二つの間かなって印象です。この3WAYの質感はランドグラフペダル全て共通します。ランドグラフサウンドを一番堪能できるのは下ですね。
トーンの効きはそんなにレンジが広くないです。ですが、使える音の範囲で変動してるように思えます。トーンMAXにしても極端にハイが出るような感じはしないですね。どこにしてもいい音が出るので使いやすいかと思います。
総評
値段に見合った、滅茶苦茶良い音のする歪ペダルだと思います。今でも根強い人気なのは納得です。
ただ、音色としては本当に普通の音なのでそこは注意していただきたいですね。【普通】の音色の中での【最強】の音みたいな感じでしょうか。
クローンでは代用できない本物特有のウェットサウンドです。こればかりは聴いてみる他ないので機会がありましたら是非試奏して頂きたいです。
これを使うのであれば3WAYスイッチを下にしてメインのオーバードライブとして使いたいところです。
値段は凄く高いですが、オーバードライブペダルの沼から脱却させてくれる良いペダルだと思います。
