Jetter Gear (ジェッターギア) Altair(アルタイル) IVレビューします。ダンブル系オーバードライブペダルとなります。
特徴
アメリカのハンドメイドエフェクターブランドのJetter Gear (ジェッターギア) Altair(アルタイル) IVです。
Jetter Gear (ジェッターギア)とは
アメリカのハンドメイドエフェクターブランドです。
手間がかかるとは知りつつも、優雅なデザインと機能を尊重し全ての作業をローカルで完結させることを徹底しておられます。
日本での代理店をしているところもなく、入荷数も少ないという割とレアなメーカーのペダルです。
ダンブル系GS124は発売時、大人気だったようです。ギタリストのロベンフォード氏が使っているとか。
アンプライクなサウンドと美しいデザインが特徴的なぺダルです。
Altair IVは2種類のダンブル系ODを一つにまとめたペダルです。2in1構成ですね。
左チャンネルはGS124とGS167の間のサウンド、右チャンネルはローゲイントーンで設計された低~中程度のオーバードライブサウンドです。
左と右のスイッチで個別にスイッチONにすることもできますし、両方ONにすると両方の回路を経由することになるので歪みが混ざります。
つまみは両チャンネル共LEVEL、Drive、Contourの3つです。Contourは一般的なエフェクターでいう所のトーンコントロールですね。
エフェクターの音作りについて
原音重視というよりかは、思いっきりエフェクターのキャラクターがはっきりしているタイプのダンブル系オーバードライブサウンドですね。
ダンブル系ODは原音を損ねないようにしながらも歪みを加えていくものが多いですが、Altair IVはAltair IVの音になりますね。
ちょっと好みが別れるかもしれません。
右チャンネルはローゲインのクランチ~オーバードライブまでの歪みをカバー、左チャンネルはクランチ~オーバードライブ~ディストーション手前くらいまでの歪みをカバーしています。
右チャンネルは割とすっきりとしたダンブル系ODらしい音がしますが、左チャンネルは割とがっつりと歪ませられるオーバードライブサウンドですね。
両チャンネル共、コンプレッションが程よくかかります。ダイナミクスレンジが広いタイプであるとは言えないですね。
ダンブル系と言えばダイナミクスレンジが広く、ピッキングでニュアンスを自由にコントロールできるのが魅力的な物が多いのですが、こちらは音はダンブル系なのにそういったことが不向きというちょっと特殊なペダルかなと思います。
もちろん、歪み量を落としていけばコンプ感は多少マシにはなりますが、他社のダンブル系ODと比べるとやはりコンプ感がかかるのが気になる。
両方ONにすると両方の歪みが混ざるので、片方をブースター的に使うのもアリかなと思います。
といっても、ヘッドルームは広いタイプではないので、がっつりボリュームをブーストさせることは難しいです。ゲインブースターとしては良いかなと思います。
右チャンネルについて
右チャンネルは主にローゲインをカバーするダンブル系オーバードライブサウンドです。
といっても、ゲインレンジは割と広く、フルテンまであげると左チャンネルの音に寄っていきます。
音の重心は割とロー寄りです。トレブリーな音ではないですね。
寄せてしまっては2チャンネルにしている意味がなくなってしまうので、こちらのチャンネルはゲインを下げ気味で使うのが基本かなと思います。
LEVELは13時でフラットです。下げる際は感覚的に使えるのでいいんですが、14~15時あたりで一気に音量が大きくなり、それ以降は緩やかに音量が増していきます。
普通のオーバードライブチャンネルとして使う分には問題ない音量を稼げますが、クリーンブースターとして使うにはちょっと物足りないか。
Driveは12時でフラットです。MIN~9時で軽いクランチサウンド、10時~12時でダンブル系らしいオーバードライブ、12時以降でガッツのあるオーバードライブ、MAXにするとほとんど左チャンネルと変わらない歪み量まで増えます。
9時くらいまでだとちょっと頼りない芯の細い音になりますが、10時を超えてくると押し出し感が徐々に強くなっていく傾向にあります。Driveを上げるとミドル・トレブルが増していくようなイメージですかね。
Contourは13時でフラットです。トーンレンジはあまり広くなく、使える音の範囲内でコントロールすることができます。
13時より下げるともうそこで籠ったようなサウンド、9時より下げるともう使えませんね笑
14~16時で一気に変化し、かなりトーンがハイ上がりになります。この辺りで微調整するのがベストか。
左チャンネルについて
根本的な音の質は変わりないですが、こちらの方がゲインが強い傾向にあります。
クランチ~ディストーション一歩手前くらいまで歪みをカバーできます。
コンプ感はこちらの方が強いですね。
LEVELは13時でフラットです。使い勝手は右チャンネルと特に変わりなく、同じように変化していきます。
Contourも同様に13時でフラットで、こちらも右チャンネルと同じような使い勝手になります。
Driveは12時でフラットです。MIN~9時はクランチサウンド、10時~12時でオーバードライブ、13時以降でがっつり歪ませたコンプの強いオーバードライブへと変化していきます。MAXにするとほぼディストーションですね。
こちらは歪み量を上げていってもミドル・トレブルがきつくなったりとかはそこまで気にならないです。
エフェクターの音作りについて
原音重視ではなく、エフェクターのキャラクターがつくダンブル系オーバードライブサウンドです。
コンプ感が程よくかかり、2チャンネルが特徴的な守備範囲が広く汎用性が高いオーバードライブぺダルとなります。
ずば抜けて良い!と思える特徴もそこまでないですが、歪みの質が異なる2チャンネルあるので、音作りの範囲は広く使い勝手は良いかと思います。
高音質でクリア、それでいて音が前に出るダイナミクスレンジが幅広いダンブル系オーバードライブペダルがここ最近大量に製作されているので、そういったものが好みの方はこれは合わないのかなと。
Altair IVはちょうどいいんですよね。あんまり音が前に出すぎることもなく、程よいコンプレッションのかかり方とかが絶妙。
バランスが良く、守備範囲が広いペダルが欲しい人はこれを試してみてもいいかなと思います。