アンプのW数と音量の関係 W数が2倍なら音量は2倍になるわけじゃない!

アンプの名称によく数字が書かれているかと思います。マーシャルアンプであればDSL1CとかDSL100H等ですね。

これはアンプの出力電力が何Wであるかの表記です。アンプのカタログにはもう一つ消費電力○○Wと記載がありますが、これは出力電力とは別の物です。アンプを動かすのに消費される電気エネルギーのことです。

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ワット(W)って何?

アンプの出力はワット(W) で表記され、どのくらいのパワーがあるかの目安となります。一般的にこの数字が大きければ大きいほど大きな音が出せます。

W数が大きければ大きいほど高性能なのか

そういうわけでもないです。ただ、数字が大きいと高出力っていう目安です。

増幅をすればするほどもちろんですが歪量やノイズも増幅されてしまうので、20Wと100Wのアンプで同じ音量を出すと前者の方が歪みますしノイズも乗ります。

実際にW数が小さいアンプで大きな音を出そうとすると思いっきりボリュームのつまみを上げると思いますが、良く歪みますよね。実際はクリーンサウンドが欲しいって時に困ることになります。

別の型番のアンプですが、両方10Wのアンプがあったとします。同じ音量を出せるのかと言われますとそれはアンプの性能によりけりなので実際試してみないと何とも言えないです。コンボアンプだとそれに搭載されているスピーカーの性能(出力音圧レベル)にも影響が出ますのであてにならないです。

アンプのW数と音量の関係

アンプのW数を10Wから100Wの物に乗り換えると10倍の音量が出せるのかという話ですが、そういうわけじゃないです。W数と音量は比例しないからです。

音圧レベルというのはご存知でしょうか。sound pressure level、略してSPLと言います。基準値との比によって表現した量になります。計算式は以下のようになります。

こういった計算式になります。元の音の大きさの2倍音量を出そうとすると、log2≒0.3なので6dB大きくなったと表現できます。仮にPAさんに「6dB大きくしてください」と指示すれば2倍の音量になりますね。

では、アンプ側の増幅する際の計算式は以下のようになります。前回のアンプとノイズの関係で電気信号の大きさは電圧比で計算しましたが、今回はW数、つまり電力が関係するので電力比の計算をします。

アンプとノイズの関係性を説明した記事はこちらから!

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こういった計算式になります。例えば5Wから10Wの出力のアンプに切り替えたとすると、log2≒0.3なので3dB大きくなったと言えます。

仮に10Wのアンプから100Wのアンプに買い替えたとするとどのくらいの音量が出せるのでしょうか・・・・

まず、10W→100Wということは10倍になったのでlog10≒1となりますね。先ほどの計算式に入れますと10dB大きくなったと言えます。

この10dBをSPLの計算式に入れるとこうなります。

10W時の音量を基準値として1を入れます。それを計算すると、100W時の音量は3.16となります。つまり、3.16倍ですね。

いちいち計算するのもめんどくさいと思うので、簡単な表にしてみました。

こうなります。いかがでしたか、思ったより音量って大きくならないですよね。

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結論

まとめとしまして、アンプのW数と音量の関係性について箇条書きしますと

1.アンプの出力W数と音量の伸び率は比例しない

2.対数的に変化する

3.あくまで目安であって、アンプの性能及びスピーカーの性能で音量は決まる

となります。同じ型番でのW数の変化であればこの表を参考にして頂いて基本的に問題ないと思いますが別のアンプ・スピーカーを使うとあてになりません。当たり前ですけどね、そもそも基準値が違うのですから。

今後のアンプをご購入の際、どのW数の物を買えばよいかご参考にしただければと思います。

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