Vivie MINERVAをレビューします。日本のエフェクターブランドのオーバードライブペダルです。
特徴
日本のハンドメイドエフェクターブランドのVivie MINERVAです。
Vivieとは?
Vivieはプロクオリティのペダルを提供する日本のエフェクターブランドです。
第一線で活躍している現役プロギタリストがサウンドディレクションを行う事で、すべての製品がライブ・レコーディングを問わず最新の音楽にマッチする様設計されています。
例えば、IRENE66は大村孝佳氏シグネチャーエフェクターですが、大村孝佳氏の監修の元、設計されております。
そしてこのMINERVAは開発にあたり数多くのハイエンドアンプとスタジオ常設アンプであるRoland JC-120、Marshall JCM900、JCM2000の音響特性を徹底的に解析しました。その解析データをもとに生まれたオーバードライブペダルです。
つまみはLEVEL、GAIN、TONE、TUBEの4つのコントロールに加え、JC・MSスイッチが搭載されています。
JCモードではJC-120などのコンボアンプに最適なサウンドを発揮できます。
MSモードはMarshallなどのスタックアンプに適したモードになります。
それぞれのアンプにポイントを合わせて音響特性をチューニングしておりますが、JC-120にMSモードが使えないとかマーシャルアンプにJCモードが使えないといった事ではないです。
アンプやギターに合わせて適材適所切り替えて使用できます。
決してJCのようなサウンド、マーシャルのようなサウンドになるってことではないです。
あとは見慣れないTUBEコントロールですね。
これは最も評価の高かったアンプの音響特性をシミュレートするコントロールとなります。肌に張り付くようなミドルの飽和感と艶感を与えることができます。
・電源:9V電池、ACアダプター(DC9Vセンターマイナス2.1mm)
・消費電流:最大40mA
・寸法:128 x 98 x 50mm (スイッチ、ツマミ部分含)
エフェクターの音作りについて
ハリや艶感があって音がしっかり前に出るオーバードライブサウンドですね。
よくある〇〇系といったジャンル分けができないサウンドですね。MINERVAの音って感じです。
癖のあるサウンドって訳でもなく、割と王道を貫いたサウンドだと思います。この音が嫌いだって人はそんなにいないのではないでしょうか。
JC・MSの切り替えで音色がガラっと変わってしまいます。
JCモードではハリや艶感があって音がしっかり前に出るオーバードライブサウンドであるのに対し、MSモードではグシャっと音が潰れて奥に引っ込んだようなサウンドに仕上がります。
JCのようなコンボアンプに使うからJCモードで使うんだ!とかマーシャルアンプのようなスタックアンプに使うからMSモードだ!って決めつけて採用するのはよくないですね。
そういう先入観は一切無視して一回鳴らしてみてから採用するほうが良さそうです。
JCモードのピッキングの反応やレスポンスの速さは良いですね。音の分離感も良く、キレもいいです。音が前に飛んでくるのでリードギターで使うとハマりそうですね。
MSモードはそれとは逆に音がグシャって潰れたような歪みになり、コンプレッションが強いです。歪み方がマイルドになり、バンドアンサンブルに馴染むようなサウンドとなります。バッキングギターではこちらのほうがハマりそうですね。
LEVELのつまみですが、12時でフラットです。9時より下げるとほとんど音が消えてしまいます。10時~12時の変動が激しいですね。一気に音量が下がります。基本的にレンジは広く、15時より上げると爆音になります。
GAINのつまみですが、こちらも12時でフラットです。MINにしても若干歪みますね。LEVELを上げてGAIN0にするとハリ・艶感のあるクランチサウンドになるのでこれはこれで使えるかと思います。
MIN~9時くらいまでクランチサウンド、10時~12時でオーバードライブサウンドとなります。12時~15時で深めのオーバードライブサウンドとなり、15時~MAXではディストーションまで歪ませられます。かなりゲインレンジは広いですね。
TONEのつまみも12時でフラットです。こちらはレンジが狭く、MINにしてもMAXにしてもそこまで尖った音にはなりません。かなり細かくトーンコントロールができますね。どこにしても使える範囲内のトーンが得られますが、かなり狭いのでもうMINERVAと言えばこの音!みたいな状態になります。
TUBEのつまみも12時でフラットです。12時より上げていくと、ハリや艶感が付加されていきます。若干ハイも持ち上がってキラキラした音になりますね。
12時より絞っていくとハリや艶感がなくなっていきタイトな音に変化していきます。若干ローも付加され、籠った音になりますね。
上げすぎても大袈裟な音になりますし、絞りすぎても元気のない音になってしまうので、上げすぎず、下げすぎずで使うのが良いでしょうか。
総評
ハリや艶感があって音がしっかり前に出るオーバードライブサウンドです。
ただ、これはJCモードで使った時の音色で、MSモードにするとやや引っ込んだマイルドな歪みになります。
どちらの音色を使うかは好みだと思いますが、私はJCモードを推しておきます。
非常にゲインレンジが広く、クランチ~ディストーションまでカバーでき、音作りの守備範囲は広い・・・かと思いきやTONEコントロールのレンジはかなり狭いチューニングにされています。
結構極端ですね。
サイズがやや大きめですが、音は王道ど真ん中で間違いないかと思います。