PROVIDENCE(プロヴィデンス) VLC-1 VELVET COMP をレビューします。
特徴
PROVIDENCE(プロヴィデンス) VLC-1 VELVET COMPです。
ベルベットのように滑らかで艶のあるコンプレッサーです。
アタックタイムコントロールによって、艶やかなアルペジオ、ロングサステインのリードプレイ、立ち上がりの速いカッティングなど様々なプレイスタイルに対応しております。
サステイン幅は広く設定してあり、リミッター的な使い方から強いコンプレッションまで、クリーンサウンド、ドライブサウンドを問わず幅広いサウンドメイキングが可能とのこと。
通常のTrue-Bypassサーキットは音声信号がバイパス時にスイッチ回路を2回路通りますが、VELVET COMPのサーキットはバイパス時にスイッチ回路を1回路しか通らないS.C.T.(シングル・コンタクト・トゥルーバイパス)サーキットを採用しています。これのおかげで高い音質が得られるようになりました。
各コントロールについて
SUSTAIN:サステイン・タイム(音を伸ばす時間)を調整します。左に回すとサステイン・タイムが短くなり、大きなレベルが入力された時、レベルを抑えるリミッター的な使い方ができます。右に回すと、サステイン・タイムが長くなります。
ATTACK:ピッキング時のアタックの強さを調整します。右に回すとピッキング時のアタック音が強く出ます。左に回すとアタック音が抑えられます。
LEVEL:エフェクト・オン/オフ時のレベルを調整します。右に回すとエフェクト・オン時の出力レベルが大きくなります。左に回すとエフェクト・オン時の出力レベルが小さくなります。
サイズは115(D) × 72(W) × 50(H)mm、重量は約250g(電池含まず)。比較的スタンダードな重さとサイズですね。
もちろん、9V電源で動作します。
エフェクターの音作りについて
ほんのり音に艶感を足すだけでその他は余計な事をしない、自然な仕上がりのコンプレッサーペダルとなります。
コンプレッサー!みたいな大袈裟にエフェクトがかかるわけでもなく、音質を大きく変えるわけでもない、愚直にコンプレッションのエフェクトと艶感を足してくれるペダルですね。
音を押し上げてくれるような感じではなく、抑えつける力のが強いイメージです。
LEVELをフルテンにした時とバイパス時の音が同じになるので、そこからどれだけ圧縮していくかみたいな使い方になるかなと思います。
バイパス時よりも大きな音量にすることができないのがネックか。ここがちょっと使いにくいです。
LEVELを最大にするとさすがにノイズの方も無視できるレベルではなくなってくるので、若干下げないといけないです。つまり、音量はバイパス時より少し下がった感じで使わないといけないです。
そういった音を狙ってやるのなら特に問題はないんですが、音量は変えずにコンプだけかけたいなって時にこれを採用するには相応しくないかなと思いますね。
ある一定のレベルを超えて強くピッキングするとがっつりコンプがかかって抑えつけられた音にはしてくれますが、そのレベル未満で弱くピッキングすると強くピッキングした時よりも大きな音になったりします。ちょっとここが気になるポイントですね。全部一定にしてほしい所。
アタックは上げていくと多少パコパコする感じにはなりますが、そこまで大袈裟なエフェクトではなく、自然な仕上がりにしてくれますね。
サスティンも無限に音が伸びる~みたいな感じではなく、これも自然な仕上がりを保った状態で伸ばしてくれるイメージです。
露骨にコンプかけてるな?みたいな感じでは一切ないので、ちょっとサスティン足りないからちょい足ししたい時には便利ですね。
LEVELのつまみですが、フルテンの状態でバイパス時と同じ音量です。そこから左に回していくと緩やかに音が小さくなっていきます。許容できるのは15時くらいまでですかね。それより下げると明らかに音量が小さくなります。12時でもちょっと厳しいですね。
ATTACKのつまみですが、9時でフラットですね。ここより上げていくとアタック感が強くなっていきます。フルテンまでするとさすがにパコパコいい始めますね。
SUSTAINのつまみは左に回し切った時がフラットでそこからどれだけサスティンを足していくかみたいな使い方になるかなと思います。大きくサスティンが伸びるわけでもなく、右に回していくとかなり緩やかにサスティンが足されていきます。フルテンでも自然な仕上がりですね。露骨にコンプかかってます!みたいな音にはならないです。
総評
少し艶感が足され、その他は特に余計な味付けは一切行わない愚直にコンプレッションをかけることができるペダルです。
露骨にエフェクトかかってますみたいなコンプレッションが苦手な方に良いですね。
エフェクトONにするだけで艶感がある綺麗なクリーンサウンドになるのも良い。
サスティンとアタックの仕上がりも大袈裟な感じじゃなく、自然な仕上がりなのでそれも良し。
欠点はやっぱり抑える力は強いんですけど、持ち上がってはくれないところですかね。
MAX時でバイパス時の音量と変わりないので、もう少し音を大きくしたいんだけどって時には全く合いません。
その上、LEVELを上げすぎるとノイズも持ち上がってくるのでやりすぎも禁物。
その点以外は良いコンプレッションペダルじゃないかなと思います。