Lee Custom Amplifier 12AU7をレビューします。これを通すだけで真空管アンプのサウンドが手に入るという何とも信じがたい製品・・・。
この言い文句、エフェクターを通すだけでヴィンテージサウンドになるHONDA SOUND WORKSのSPICEを思い出してしまいます。
特徴
日本のエフェクターブランドLee Custom Amplifier 12AU7です。
こちらを開発されたのは元々、VOXのチーフエンジニアである李 剛浩 氏です。代表作はVOXのMV50と言えば分かりやすいでしょうか。
李氏の新ブランドがLee Custom Amplifierです。このLee Custom Amplifier 12AU7はデビュー作とのこと。
マーシャルのパワー管やオーディオアンプなどに使用されている歪みの出にくいプリ管である12AU7(ECC82)が中に内蔵されている世界最小の真空管バッファーです。
これを通すだけで真空管サウンドが手に入るという衝撃的な製品。
デビュー作からかなり攻めた製品を作っていますね笑
エフェクトON OFFのスイッチはなく、VOLのつまみのみという比較的シンプルな設計。
VOLのつまみを0(写真のような状態)にするとエフェクトOFFになるバッファーモード。少し回すと「カチ」と音がしてエフェクトがONになります。-∞~+20dBの範囲内で音をブーストすることができます。
エフェクトON時は青いランプが点灯するので分かりやすいですね。
電源を9Vを内部で電圧をDC100Vまで昇圧しています。それによりヘッドルームの確保ができますね。
具体的にどういったシチュエーションに使用するのかというと
・真空管アンプがヘタっている際の対策
・JC-120のトランジスタアンプの音が苦手な場合。真空管サウンドを付加させたい時に
・マルチエフェクター使用時の後もう一歩何かが足りないと感じる場合
・音痩せが気になる場合
等ですかね。
エフェクターの音作りについて
予想よりかなり効果があると感じられました。確かに真空管サウンドのようなウォームでパンチのあるサウンドに仕上がります。
・音にハリが生まれる
・音圧が出るようになってパンチのあるサウンドに
・チューブアンプ特有の奥行き感が生まれる
・ダイナミクスレンジが広くなり、ピッキングニュアンスがよりつけやすくなる
の効果があるなぁと感じられました。
VOLのつまみですが、12時でフラット、13時以降からどんどん音が増幅されて行きます。結構音量がガンガン増していく印象です。
ただ、真空管の特性上仕方ないのですが、13時以降は歪みも付加されて行きますので上げれば上げるほど良いわけでもないかなと思います。
音痩せ対策として使用する際、こちらで無理やり上げていくとどうしても歪みが付加されていきますのでやはりケーブルや電源等の準備を万全に行って音痩せを改善したほうが良い効果が得られるかなと思います。
JC-120等のトランジスタアンプの対策としては有効ではないかなと思います。とりあえずこちらを一発挟んでおけば真空管サウンドっぽく仕上がりますね。
マルチエフェクターの歪みが何か物足りないと感じる場合はこちらを挟んでおくと改善されるかもしれませんね。
スタジオやライブハウス等のアンプがヘタっていた場合の対策としてこちらを使うのはアリだと思いますが、ヘタりが酷すぎると真空管バッファーのVOLも上げざるを得なくなり、結果音が歪んで行ったり、ノイズが増幅されていったりするので、本当に最終手段として使うのがいいのかなと思います。
そもそも、メンテナンスがロクに行われていないスタジオやライブハウスには行かないのがベストですけどね笑
ただ、真空管の性質上仕方ないのですが、長時間運用すると結構な熱を持つようになります。手で触れないレベルまで熱を持つことはないのですが、まあまあアツアツになります笑 ボードに搭載する際はそのあたりも考慮して導入すべきかと。
総評
優秀な真空管バッファーかと思います。
思ったより効果がありましたね。 バンド内の関係上、どうしてもJC-120を使用しないと行けないけどトランジスタのアンプの音は苦手なんだよなぁ・・・という人にはうってつけかと思います。
元々、真空管アンプを使用していてさらに音にパンチが欲しい場合に採用するのもアリだと思いますね。
音痩せ対策に使用するのは正直おすすめはできないですね。痩せてるのは信号が正しく伝送されていないのが原因であるので、やはりケーブルや電源周りの改善をしたり、スイッチャーを導入したりして対策を図ったほうが良いです。
スタジオやライブハウスの真空管アンプのヘタりの最終手段としてカバンに1個潜ませておくのもありじゃないかなと思います。
こちら大人気商品のため、ソールドアウトが続いており、入荷待ちの状態になっています。入手は気合いを入れて確保に挑んでください。