【オーバードライブの王様】Klon Centaur silver short tail レビュー

Klon(クロン) Centaur(ケンタウルス)silver short tailをレビューします。

憧れのオーバードライブペダルですよね。正真正銘本物です。オーバードライブの王様と呼ぶに相応しいエフェクターです。 裏側にはKlonの代理店であるHUMAN GEAR(ヒューマンギア)のシールが貼られています。

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特徴

アメリカ・ボストンのハンドメイド・エフェクター・ブランドKlon(クロン)Centaur(ケンタウルス)silver short tailです。

1994年にBill Finnegan(ビル・フィネガン)氏によって開発されたオーバードライブペダルです。個人工房ですので、たった一人でケンタウルスを生産し続けてきました。その総数は約8000台です。

今でもこの8000台のペダルを世界で取り合いになっていまして、どんどん市場価値は増していき、今では1台数十万円で取引されております。

発売当初の定価は239ドル、生産終了間際の定価は329ドルでしたので、現在の価格はエフェクターの音としての価値というよりかは株や骨董品としての値段の付き方ですね。

販売当時から需要に対しての供給が追い付いてなく、中古品の方が値段が高いという状況でした。

一人で生産かつハンドメイドで作るのに滅茶苦茶時間かかる状況でしたのでこうなるのも当然ですね。

むしろよく8000台も生産できたなっていうくらい笑

現在所有されている方はもうよっぽどのことがない限り手放さないと思いますので、価格はどんどん吊り上がっていくことが予想されます。もう予測が付かないですね笑

このケンタウルス、生産時期によってデザインや音が異なっています。こういった要因でも値段が吊り上がっているんだと思います。全種類揃えたくなる人もいるのではないのでしょうか。ケンタウルスは初期であればあるほど価値が高くなっていきます。

金の方がウォーム、銀の方がエッジが効いてゲインが高くクールな音質と言われています。

つまみはGAIN、TREBLE、OUTPUTの3つ。独特なコントロールですよね。

ケンタウルスの色・絵の違いについて

基本的に金→銀の順番でケースの色が変更されています。

ケンタウルスの尻尾が長いロングテール→ケンタウルスの尻尾が短いショートテール→絵なしのノーピクチャーの順でケースが変更されています。

基本的に絵ありの方がシリアルが若いので価値が高い傾向にあります。金色よりも銀色の個体の方が数が少ないです。

1.Gold Long tail FAX  Only

最初期の物となります。金色のケースにケンタウルスの尻尾が長く、裏側にFAX Onlyの記載がある物です。とんでもない値段で取引されていますね。

2.Silver Long tail FAX Only

金色→銀色のケースに変更された物。

3.Gold Long tail

FAX Onlyの記載がなくなり、電話番号が書かれるようになります

4.Silver Long tail

同上。銀色のケースに変更されます。

5.Gold Short tail

ケンタウルスの絵が変更され、尻尾が短くなります。

6.Silver Short tail

同上。銀に変更されます。私が所有する個体はこちらになります。150台ほどしか生産されていないとか。

7.Gold No Picture

絵がなくなります。工場に火事が起きてシルクスクリーンが紛失してしまったので絵がなくなったそう笑

8.Silver No Picture

最後に生産された個体です。値段も一番安いですね。  

エフェクターの音作りについて

突き抜けるようなオーバードライブサウンドです。

アンプの音に艶やかな味付けを施してくれます。音の押し出し感が半端ないですね。インパクトが凄いです。音の輪郭もくっきりで分離も良い。

それでいてダイナミクスレンジが異常です。ピッキングに対して滅茶苦茶素直に反応してくれます。正直、ここまでピッキングニュアンスが反映されるペダルは弾いたことないです。

数々のクローンが生産されていますが、音色は真似できてもこの質感は真似できないんじゃないかと思います。これを求めて皆数少ない本物を取り合っているような気がします笑

これを使えば誰でもいい音が出せる系のペダルではないですね。これはまさに妖刀です。使い手の腕が思いっきり反映されるサウンド。上手く弾けばカッコ良い音に、下手に弾けば最悪な音に。下手な人がライブで使ってみようものならもう公開処刑ですね笑。自殺行為です。

これを使いこなせる人はプレイヤーとしても素晴らしい方でしょう。

GAINのつまみですが、MINの状態でも若干歪んでクランチサウンドになります。9時くらいでほどよくゲインがプッシュされ、押し出し感の強いクランチサウンドに。このポイントでピッキングニュアンスが一番反映されます。ケンタウルスの真骨頂ですね。

9時を超えますと緩やかに歪みが増していき、12時くらいで天井になります。12時以降も緩やかに歪んでは行くのですが、コンプ感が増していきます。MAXにすると思ったより歪んでくれました。ただ、コンプ感も強くなっちゃうのでこれならKTRとかでもいいかなといった音です。

本家のおいしい使い方をしたいならゲインを絞って右手でコントロールですね。ギターで歌えるくらいの人でないと扱うのは難しい。

次にTREBLEです。モコモコなサウンドからキャンキャンな音までかなり広いレンジをコントロールできます。高域のコントロールというよりかは全体的なトーンコントロールです。TONEの名前に変えてくれたほうが分かりやすいのに笑

12時でフラットですね。14時くらいで抜けのいいトーンになり、15時を超えると突き抜けるような鋭いトーンになります。MAXにするとそれはもうキャンキャンです。

10時にするとウォームなトーンに、9時より下げるとモコモコとしたサウンドになります。

14時より上げた状態で使うのが気持ちいいですね。

次にOUTPUTのつまみですが、これはボリュームのつまみですね。

10時でフラットです。音量はかなりの爆音まで上げられます。

贅沢な使い方ですが、音量上げ目にセッティングしておいてここぞというときにブーストする使い方もありですね。

バッファーについて

ケンタウルスは回路を経由するだけで音がよくなると言われていますが、正直私はそう思わなかったです。

正確に言うと音が変わると言えば変わるのですが、若干マイルドで丸い音になります。超高域が痩せてギラギラ感が軽減されるイメージですかね。

悪く言うと信号劣化はするんですが、このマイルド感を良い音とするのか痩せただけの音とするのかは個人の判断によるかなと思います。

これを通せばいい音になるぞ!と盲信的になるのは危険です。

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総評

抜群に音抜けが良いオーバードライブサウンドです。

アンプで作っておいた原音を根本的に変えるのではなく、味付けを施して艶やかにしてくれます。

反応の素直さに衝撃を受けました。こんなところまで音拾わないでくれみたいなところまで出してくれます笑

本当に上手い人にしか扱えない妖刀みたいな恐ろしいペダルですね。この領域はクローンでは出せない本家だけの質感だと思いました。

何十万円も出して買う価値はある?

私はないと判断します。もうケンタウルスはサウンドに対しての値段の価値の範疇は超えています。これは骨董品ですね。ストラディバリウスやレスポールバーストみたいなもんです。

シンプルに音を良くしたいのであれば私ならその数十万円で電源ケーブルを買います。

現在は良いエフェクターが安価でたくさん作られるようになりましたし、無理してこれを買うこともないかなと思います。

ケンタウルスのクローンも優秀なものが増えてきましたしね。

ただ、音色は真似できても本物特有の質感までコピーは出来てないなとは思います。そこに価値を見出せる人は買ってみても良いでしょう。

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