KarDiaN(カージアン) CHCl3(クロロホルム)Hi-Gain MODをレビューします。日本のハンドメイドエフェクターブランドのトランスペアレント系オーバードライブペダルです。
特徴
KarDiaN(カージアン)CHCl3(クロロホルム)Hi-Gain MODです。
KarDiaN(カージアン)は滋賀を拠点とし、エンジニアの経験も持つエフェクタービルダー北田氏によるオリジナルエフェクターブランドです。
このエフェクターブランドはハンドメイドですので、高品質ですがお値段もそれなりの価格になります。手間がかかるのでしょうがないですね。
KarDiaNのその他歪みエフェクターのレビューを以下の記事にまとめてあります。他のペダルが気になる方はこちらから!
KarDiaNの歪みペダルを一通り弾いてみましたので、それのレビューをまとめてみました。どれも個性的なペダルで各キャラクターが強く出た物ばかりですね。そして、それのおすすめ度をランキング形式で発表していきます。[…]
下記の4カ条を掲げ、2017年からエフェクターの生産を開始しています。
~KarDiaNの4箇条~
- オールドが持つ普遍的なリアリティの追及
- オリジナル回路設計によるオンリーワンの確立
- 厳選した高級コンポーネンツによる妥協のないサウンド
- 他社にはない独自のレリックデザイン
KarDiaNではお馴染みの化学式の名称がつけられていますね。
こちらはトランスペアレント系のオーバードライブペダルとなります。
メーカー曰く、ステンドグラスのような、美しい倍音・透明感でありながらも古き良きオーバードライブのもつ鈍いトーンを着色し、絶妙なコンプ感と枯れた中音域が加味されたブルージーなオーバードライブとのこと。
そしてこちらはハイゲインモディファイ品となります。 左下に通常のペダルにはない「IMB」の表記がされていますね。
ツマミはVOLUME、GAIN、BASS、TREBLEのオーソドックスなもので構成されています。
エフェクターの音作りについて
原音のトーンを一切変えずにそのまま歪ませることができる非常にクリアなオーバードライブペダルです。
トランスペアレント系であっても大抵のオーバードライブペダルは何かしらそのエフェクターの色がついてしまうものですが、これは原音のクリーントーンをそのままに歪みを足したようなサウンドです。
それでいて歯切れがよくニュアンスも出ますし、何より滅茶苦茶明瞭でクリア。
通常のクロロホルムを弾いていないので、どれだけ歪むかは分からないですが、こちらのハイゲインMODVerのクロロホルムはがっつり歪ませることもできますね。
トランスペアレント系は割とゲインレンジが狭いイメージですが、こちらはディストーションまではいかないものの、歪みが強めのオーバードライブサウンドまでであれば作ることができます。
何よりトーンコントロールのレンジが滅茶苦茶広いですね。若干籠らせたマイルドな音からエッジの効いた攻撃的な音まで幅広く対応可能です。
VOLUMEのつまみですが、12時でフラットです。癖がなく、こちらは感覚的に使えます。MINで音が完全に消えます。12時より上げていくとバイパス時よりも音が大きくなり、15時を超えると爆音になります。2時くらいでもがっつり音を前に押し出してくれるような力強いサウンドになりますね。
GAINのつまみは11時でフラットです。MIN~10時くらいまではクランチサウンド、11時からはオーバードライブサウンドとなります。11時以降は緩やかに歪み量が増していく感じです。MAXにしてもディストーションまで歪ませることはできず、オーバードライブの中での範疇となります。トランスペアレント系の中ではがっつり歪ませられますね。
BASSのつまみは12時でフラットです。こちらのトーンの効きはまずまずですね。MINにしても最低限必要なロー感は残ります。バッサリカットはできないですね。9時~11時ですっきりしたようなサウンド、12時~14時でローがしっかりとしたサウンド、15時以降でローがブリブリしてきます。 レンジもまずまずです。尖ったようなセッティングではなく、使える音の中でコントロールできるイメージです。
TREBLEのつまみは12時でフラットです。こちらはBASSとは違い、かなり効きますね。ハイをバッサリカットしたような音から突き抜けるような耳が痛くなるキンキンなハイトーンまで作れます。MIN~12時までは緩やかな変化なのに対し、12時以降はがっつりハイが出てくる感じです。15時~MAXにするともう耳が痛くなるレベルですね。この辺りから若干ノイズも気になってきます。
総評
原音の音色を変えずにそのまま歪ませることができるトランスペアレント系オーバードライブペダルとなります。
音質も抜群にいいですし、何よりクリアですね。歪ませても音が潰れていかず、芯が残ってくれます。
トランスペアレント系にしてはゲインレンジも広く、歪みが足りないなんてこともなさそうです。
普通のオーバードライブよりはもちろん歪まないですが。
GAINを下げ気味でVolumeを上げ気味にしてカッティングフレーズを弾くと音が前に飛んできてかなり映えますね。 BASSの効きはまずまずですが、TREBLEの効きは凄まじいですね。
TREBLEを下げればブルージーなトーンですし、上げれば攻撃的なエッジの効いた音まで幅広く作れます。
注意点としては音色は変わらず、クリーントーンをそのまま歪ませるのでそもそものクリーンをしっかり作らなければ事故になりますね。
優秀なトランスペアレント系ペダルの一つでしょう。おすすめです。