CARL MARTIN(カールマーティン) PLEXI RANGERをレビューします。最近、話題の歪みペダルですね。
特徴
デンマークの老舗エフェクターブランドCARL MARTIN(カールマーティン) のPLEXI RANGERです。
プレキシマーシャル系のディストーションペダルとなります。
PlexiRanger(プレキシレンジャー)は、1960年代半ばから1970年代半ばのマーシャルアンプ、所謂プレキシマーシャルを再現したオーバードライブ・ディストーションペダルとなります。
プレキシマーシャルと言えば、ロックギター栄光の時代ですよね。The Whoのピートタウンゼント、エディヴァンヘイレン、ディープパープルのリッチー・ブラックモア等、ロックスターがこぞって使用しています。
ウォームでありながらもトレブリーな抜け感が特徴的です。
LEVEL、TONE、GAINのスタンダードなつまみに加えて、右部にはブースターの機能も備えられています。
中央上部のトグルスイッチはブースターをONにしたときにローカットをしてくれます。0ではローカットなし、1で少量のローカット、2では大幅ローカットが実現できます。
ブースト部のつまみはBOOST、FREQ(Frequency EQ)、RANGEの3つのつまみで構成されています。
BOOSTはブースト量、FREQはブーストされている周波数をコントロールするツマミ、RANGEはBOOSTのつまみの量をコントロールするツマミです。
RANGEだけややこしいですね。RANGEを左に回していくとBOOSTの効きが悪くなる感じです。両方を調整してブースト量を決定する必要があります。
DRIVE部とブースト部はそれぞれ独立しており、ブーストだけ使いたい場合は右だけONにすれば使用可能です。
ジャックには通常のインプット・アウトプットジャックの他にリモートジャックが搭載されています。これはCarl Martin Octaswitch(外部スイッチジャック)を使用してエフェクトのON、OFFを切り替えることができます。同じ制御機能を持つスイッチャーでも可能です。
Carl Martin の最近のモデルに採用されている特別なDC/DCコンバーターにより、内部では±12 VDCで動作しており、ヘッドルームの確保をしております。
エフェクターの音作りについて
王道なプレキシマーシャルのサウンドです。中々にトレブリーな質感でがっつり歪ませることができます。
説明書には軽いクランチサウンドも出せますと書いているんですが、ちょっと無理がありますね。オーバードライブ~ディストーションまでの歪みをカバーできます。そこまで歪みのレンジは広くないですね。
ローカットスイッチと相まって、ロー感のあるサウンドと言うよりは、ミッドハイが強調されたマーシャルアンプらしいサウンドが特徴的ですね。重たいというよりも、軽快なサウンドです。
歪みの質感もザクザクしてやや粗い感じです。
ちょっとコンプ感が強めかなと思います。誰が使っても安定して良い音が出せるペダルですね。
まず、DRIVE部です。
GAINのつまみですが、9時~10時くらいでオーバードライブサウンドです。クランチまで歪みをカットすることはできないです。10時以降から軽いディストーション~重いのディストーションまで歪ませられることができます。
ディストーションの範囲内から超えることはなく、ディストーション内できめ細かい歪み量の調整ができます。
次にLEVELですが、12時でフラットです。癖がなく、感覚的に調整ができます。ある所から急激に跳ね上がったりすることもないですね。
音量の幅は割と広めかなと思います。フルテンにしてギターソロ時のみ使用みたいな使い方でも良いと思います。基本的には12時で問題ないですね。
次にTONEです。12時でフラットで、こちらも感覚的に使えます。つまみを回せば等間隔で足したり引いたりできるので非常に使い勝手が良いです。
レンジ幅も広いですね。籠ったサウンドからキャンキャンなサウンドまで作れます。ただ、重心はハイ寄りですかね。12時でも結構トレブリーなサウンドです。
次にBOOST部です。
ブースターとしての機能なんですが、思ったより音量・歪みがブーストされません。ほんのりブーストされる感じです。
クリーンサウンドでBOOST、RANGEつまみをフルテンにし、ブーストだけONにすると音量が若干増してクランチサウンドになる、そのくらいのささやかなブースト量になっています。
DRIVE部ONでBOOSTをONにしても音量・歪み量はそこまで上がった感じがしないです。まあ、元々ががっつり歪んだ状態になっているのでそりゃそうかという笑
音量をがっつり上げてギターソロで前に出してやりたいという方は別途クリーンブースターを用意された方が良いですね。
結局これは何のためのブースターなのかというと、多彩なローカットのトグルスイッチと特定の周波数を決定してブーストできるため、トレブルブースター的な使い方が良いのかなと思います。
トグルスイッチを0にしてFREQを左に回してやればローもブーストさせることができるのでトレブルだけでなく、多彩な使い方が可能ですね。
BOOST、RANGEととりあえずフルテンにしておいて、不要な分だけ調整する使い方がいいかなと思います。
FREQも感覚的に使えます。ローをブーストしたければ左寄り、ハイをブーストしたければ右寄りにしておいてONすれば良いだけです。
それでもまだローがいらねえ!って人はトグルスイッチを1、2に調整してやればガンガンカットすることができます。
総評
王道なプレキシマーシャルサウンドです。非常にトレブリーで抜け感のあるディストーションサウンドですね。
GAINをカットしてもオーバードライブまでは持っていけますが、オーバードライブとして運用するなら他のペダルのが相応しいものがあると思います。こちらはがっつりディストーションをかましてハードロックされる方にうってつけなペダルだと思いました。
ブーストスイッチにより、ローをカットできるトレブルブースターが搭載されているので、元々がローのがっつり出るタイプのギターを使っている方におすすめですね。
ハムバッカー搭載のレスポールとかが良いです。ローが籠って抜け感がないと悩まれてる方はこれを使えば解決しそうです。
逆にテレキャス・ストラトのようなハイ寄りのギターだとキャンキャンしてうるさいかもしれないですね。
それでもトーンコントロールを下げ目、トグルスイッチ0でFREQを左寄りにしてやれば全然運用できると思います。
現在、大変品薄な状態となっております。見つけたら迷うことなく購入することをおすすめします。