Retro Sonic Vintage Vibes Compressorをレビューします。ヴィンテージコンプレッサーの人気ペダル、ROSS Compressorを再現したモデルです。
特徴
Retro Sonic Vintage Vibes Compressorです。
Retro Sonic Vintage Vibesとは
カナダのオタワにあるエフェクターブランドです。全てのエフェクターはハンドメイドで製作されています。
エンジニアであるTim Larwill氏によって2001年に設立されました。
ヴィンテージ・エフェクターに関する深い造詣と愛情をベースに生みだされる製品は、単なるヴィンテージ・クローンを越えたエフェクターとして高い評価を得ています。
ヴィンテージエフェクターを再現しつつもややモダンテイストを織り交ぜているペダルが特徴的です。
このコンプレッサーはヴィンテージコンプレッサーであるROSS Compressorを再現したものとなります。
ROSSというブランドは1965年に設立されたアメリカのエフェクターブランドです。
時期によって多少音は変わっており(ヴィンテージペダルにありがちですね)、音はともかくとして最初期のモデルが人気が高いです。
Gray Ver.を基本に、オリジナルには無かった新たなるファンクションを追加し、洗練されたコンポーネントを使用することでよりローノイズでクリーンかつスムーズなコンプレッションが得られるとのこと。
つまみはSUSTAIN、ATTACK、LEVELといったスタンダードなものに加えて、左下にトグルスイッチが搭載されております。
このスイッチはBright ModeとDark Modeの切り替えスイッチとなります。
左に倒すとBright Mode、右に倒すとDark Modeとなります。コンプレッサーを使用する際に生じる高音域の“籠り”をコントロールすることができます。
オリジナルのROSS Compressorはベースとの相性が悪かったようですが、このRetro Sonic Vintage Vibes Compressorでは切り替えスイッチを搭載することでギタープレイヤー、ベースプレイヤーが必要とするコンプレッサーのスイートスポットが得られるように対策されております。
エフェクターの音作りについて
ややヴィンテージ感の強い枯れたコンプレッサーとなっております。
踏めば音が元気になるっていう感じとは正反対ですね。ちょっと引っ込んでいて落ち着いたサウンドになります。
コンプレッション感は結構パコパコ系ですね。ATTACKのレンジは割と広くて強烈なアタック音を付加することも可能です。
SUSTAINを上げていくと、強烈なロングサスティーンを付加することができるのですが、ノイズがかなり気になるようになってしまいます。
ローノイズでクリーンなコンプレッション感と言っていた割にちょっときついですね。
後、きつめにSUSTAINをかけると若干歪みますね。
音量を上げれるタイプのコンプレッサーではなく、きっちり抑圧された感じの音になりますね。コードストロークを強くしても上から抑えつけられた感じになります。コンプレッサーとしての仕事はきっちり果たしてくれます。
Bright ModeとDark Modeの切り替えスイッチですが、Dark Modeがバイパス時の音とあんまり変わらない感じですね。採用するギターやベースにもよりますが、基本このモードにしておいて、ローが出てきて籠りが気になるようでしたらBright Modeに切り替えればいいのかなと思います。
Bright Modeだと強くコンプレッションをかけると若干音が細くなる感じがします。やりすぎは禁物ですね。
SUSTAINのつまみですが、10時でフラットです。ここより下げるとほとんどコンプレッションがかからなくなり、10時を超えてくるとどんどんサスティーンが伸びるようになります。MAXにすると強烈なロングサスティーンを得ることができます。ただし、12時あたりでノイズもきつくなってきますのでトレードオフですね。
ATTACKのつまみはMINでフラットです。そこから必要なアタック音が得られるまで上げていく使い方になりますね。こちらのレンジも広く、大袈裟なアタック音まで追い込めます。お好みで調整ですね。
LEVELのつまみですが、2時でフラットです。音量そのものを大きくすることがそんなにできないです。レンジは狭いかなと思います。
総評
ややヴィンテージ感の強い枯れたコンプレッサーとなっており、ちょっと引っ込んでいて落ち着いたサウンドになります。
本家のROSS Compressorは所持していなく、弾き比べはできていないのでどこまで再現度が高いのかはすいませんけど分かりません。
ちょっと癖のあるサウンドなので、好きな人にはハマりますけどそうでない人には無縁のコンプレッサーペダルかなと思います。
ほんのり味付けをというよりかは、踏めばこのサウンドになる系のペダルです。