OVALTONE(オーバルトーン)FOUNTAINをレビューします。日本のハンドメイドエフェクターメーカーです。こちらはオーバードライブペダルになります。
特徴
日本のハンドメイドエフェクターブランドOVALTONEのFOUNTAINです。
名前のFOUNTAIN(ファウンテン)は日本語にすると泉という意味で、音が湧き出てくるイメージとのこと。
内部で電源電圧を昇圧し、クリッピング電圧も引き上げることで得られる歪みは素直な増幅を感じさせるダイナミックなサウンド。
ハンドメイドのエフェクターには定番になってきましたね。この内部の電源電圧を昇圧するシステム。
VOLUME、GAIN、TONEのスタンダードなつまみに加え、2つのスイッチがついております。
右のスイッチではHG(ハイゲイン)チャンネル、LG(ローゲイン)チャンネル、SG(ソフトゲイン)チャンネルの3チャンネルの切替、左のスイッチではMO(モダンオープン)、VO(ヴィンテージオープン)、MC(モダンクローズ)の3キャラクターの切替ができます。
右のスイッチではシンプルに歪み方の切替チャンネルで分かりやすいのですが、左のスイッチは何を示しているのか分かりにくいです。
・MO(モダンオープン):中音域が豊かで超高音域もオープン
・VO(ヴィンテージオープン):中音域が抑えられ、超高音域がオープン
・MC(モダンクローズ):中音域が豊かで超高音域はクローズ となります。
滅茶苦茶多機能ですね。音作りの幅は広いですが、設定は大変です。
エフェクターの音作りについて
原音重視で素直に歪みを足してくれる優等生なオーバードライブペダルです。
どのアンプにもこれを使えばこれの音になるというわけでもなく、アンプで作られた音のキャラクターはそのままに歪みだけ足されていくようなオーバードライブサウンドです。
是非真空管アンプに使いたいペダルですね。
ソフトゲイン、ローゲイン、ハイゲインの3チャンネルが搭載されている上に、音域のキャラクター変更もあるので音作りの幅はかなり広いです。
歯切れの良いクランチサウンドから音抜けが良くパンチのあるクランチサウンド、図太いオーバードライブサウンド、強く歪んだディストーションサウンドまでなんでもこれ1つで作れてしまいます。
まずVOLUMEですが、こちらは12時でフラットです。MINで完全に音量がゼロになり、一定間隔で音量が増幅していきます。感覚的に使えるので使い勝手は良いと思います。 ただ、MAXにしてもそこまで音量はブーストされるわけではないかなといった印象。ブースターには向かないかもしれませんね。
次にGAINのつまみですが、3チャンネルあるのでそれぞれ分けて説明します。
・SGチャンネル→クリーミーで滑らかなオーバードライブサウンドです。MINにするとバイパス時と変わらない音量と歪み量です。9時くらいから歪み始めて12時で歪み量が抑えられた主張の少ないオーバードライブサウンドに。12時以降にしても思いっきり歪み量が足されるわけでもなく、じわじわと増えていく感じです。 9時~12時にしてトーン上げ目にすれば歯切れの良いクランチサウンドになります。バンドアンサンブルにも馴染む音で良い感じです。
・LGチャンネル→パンチがあり音が前に飛んでくるようなオーバードライブサウンドです。MINにするとバイパス時と同じ音量と歪み量。9時~12時でスコーンと抜けのいいクランチサウンド、12時~15時で分厚いオーバードライブサウンド、15時~MAXでディストーション並みに歪んだサウンドとなります。
このチャンネルのゲイン幅はかなり広くて使い勝手がいいです。全然ローゲイン感ないですけど笑
10時くらいにして抜けのいいクランチサウンドでカッティングしても気持ちいいですね。勿論、1時くらいのオーバードライブサウンドでガンガンリードで弾いても良いと思います。
・HGチャンネル→がっつり歪んだディストーションサウンドです。ディストーションですけど原音の音色は崩すことなく、そのまま歪みが強くなった感じです。 9時くらいまではオーバードライブサウンド、それを超えてくるとディストーションになります。こちらも一定間隔で歪みが足されていき、12時~15時ではローの効いた重たいディストーション、MAXまで上げるとファズくらいまで歪みます。
この3チャンネルのおかげで歪みの幅は滅茶苦茶広いですね。何でも作れます。
次のTONEのつまみですが、これも3キャラクターあるのでそれぞれ分けて説明します。
・MO→こちらがこのペダルの通常モードと言っていいでしょう。一番トーンの変化が感じられます。 12時でフラットでそれより左に回していくとモコモコした音になっていきます。12時を境界で右に回した途端にブライトな音になり、ガンガントーンが明るくなっていきます。2時くらいで歯切れがよく、音も前に出てくる気持ちいいトーンになり、15時を超えるとキャンキャンな音にまでなります。
・VO→こちらが一番トーンコントロールの幅が狭いです。音量が多少変わるくらいでそこまで変化が感じられないように思えます。ミッドが抑えられているのでちょっと引っ込んだ音になります。 12時でフラットですが、それより左に回していっても音量が若干小さくなる程度で変化は感じられません。右に回していっても同様です。若干超高音域のシャリシャリした成分だけ付加されていく印象ですかね。このキャラクターにしたらこの音になってしまう印象です。
・MC→MOとそんなに変わらないですね。超高音域のシャリシャリした成分だけごっそり抜け落ちた感じです。トーンコントロールの使い勝手もMOと変わりないです。
ミドルだけガンガン出してシャリシャリした音は不要!って人はこのキャラクターにしたらハマるのではないかと思います。
基本、MOかMCのキャラクターで音を作っていけばいいかなと思います。これは好みですね。
総評
原音重視で素直に歪みを足してくれる優秀なオーバードライブペダルです。
こういった所謂ダンブル系ペダルによくあるのが欲しい領域の歪みまで歪んでくれないことが多々あるんですけど、このペダルの歪み幅が限りなく広いのでそういった悩みから解放させてくれます。
ノイズ乗りも少なく、ピッキングニュアンスがもろに効いた音からコンプがかかった音まで多種多様な音が作れます。
トーンコントロール幅も広いですしね。
きっちりギター、アンプ、ケーブルで音を作っておかないとこのペダルの本領発揮はされないかなと思います。
滅茶苦茶素直なペダルですので、基本の音が悪ければ悪いまま歪ませていく最悪な結果になります笑
がっつり歪ませた分厚いオーバードライブサウンドとして使うもよし、歯切れ良く、抜けの良いクランチサウンドでカッティングプレイするもよしです。