Blackberry JAM Rosemary Rexをレビューします。日本のハンドメイドエフェクターブランドの改造系マーシャルを再現したペダルです。
特徴
日本のハンドメイドエフェクターブランドのBlackberry JAM Rosemary Rexです。
Blackberry JAMとは?
Blackberry JAMは東京都の高円寺にある楽器カフェです。 そこの地下1階に工房・楽器スペースがあります。
Blackberry JAMのペダルの多くは、現存のチューブアンプの音と操作性を再現しています。
他メーカーの製品でも「アンプライク」と謳って、そのモデルのアンプの音を再現しているペダルは多くありますが、Blackberry JAMの「アンプライク」は、音のみでなく操作性もアンプと全く同じというところです。
Blackberry JAMがブランドを立ち上げてから今日まで一貫して追求し続けてきたことが「アンプ直で演奏しているかのような弾き心地」であり、「ギター側での操作に、アンプ直と同様のリニアな反応を再現できる」という、独自の回路設計とのこと。
アンプと同じ操作性の再現と弾き心地―Blackberry JAMが追求しているものは、まさにアンプジャストであるということ。
Rosemary Rexは、Rosemaryのハイエンドモデルとなります。
一番の特徴は、Marshall 1959 Super Leadと改造マーシャルのサウンドを一台に詰め込んだところ。
Boostスイッチがoffの時は1959 Super Leadそのままの、気持ちの良い倍音、厚みがある低域と、ジューシーな中域、そして抜けの良い高域が特徴的であるサウンド。Boostスイッチをonにすると、60年代改造マーシャルのサウンドとなります。
アンプっぽい音というより、アンプの音を再現するとメーカーが謳っていますが果たして本当なのか・・・。
つまみは左上がTreble、右上がBass、左下がVolume、右下がGainとなります。
スイッチは左がBoost、左がBypassとなります。
重量は370gとそんなに重たくなく、サイズも112mm×60mm×56mmと比較的スタンダードな大きさなのでボードに組み込みやすいですね。
エフェクターの音作りについて
カラっとしたドライなプレキシマーシャル系のオーバードライブサウンドです。
ゴリゴリに歪んでくるのかなと思いきや、割とさっぱりとした歪みですね。アンプライクなサウンドですけど、アンプジャストはちょっと言い過ぎかなと・・・。
ヘッドルームにも余裕があり、音圧はガンガン上げられるので音をドンドン前に出せるので弾いていて気持ちいいサウンドです。
マーシャルアンプと同様、TREBLEの効きが滅茶苦茶効くので、上げすぎるとキンキンの耳の痛い音まで出せます。それに対してBASSの効きは控えめですね。これもマーシャルアンプに似た挙動をしてます。
クランチ~きつめのオーバードライブサウンドまでカバーしています。ディストーションまでのゴリゴリの歪みにはたどり着かない感じですね。
ブーストを踏むと歪み量、音量がブーストされるイメージではなく、完全にキャラクターが切り替わる感じですね。ドライでさっぱりとしたサウンドというよりかは奥行きがあってジューシーなサウンドに仕上がります。
普段聴いている親しみのあるマーシャルサウンドはブースト時の音が近いですね。OFFにしたらプレキシサウンド、ONにしたらいつものマーシャルサウンドみたいなイメージです。
ギターソロ時のみONにする、みたいな使い方はできず、OFFとONで好きな音色を選択できるみたいなイメージでしょうか。
ブーストって名前が良くないですね。キャラクターの切り替えスイッチと認識してもらっていいと思います。
TREBLEのつまみは10時でフラットです。MINまで絞ってもモコモコの音にはならず、全然使える音ですね。ストラトキャスターのような元からハイの出るギターですと絞り切ってもいいかもしれません。この挙動はまさにマーシャルアンプそのものですよね。
12時くらいですでにハイのきついサウンドになります。14時くらいでキンキンな音に、15時を超えると耐えられないレベルまでハイがきつくなります。MAXにするともう刃物ですね笑
基本的にMIN~12時あたりで調整するのがいいのかなと思います。マーシャルアンプをよく使っている人には馴染みのある挙動ですよね。
BASSのつまみは12時でフラットです。TREBLEに対してBASSはそこまでレンジが広くないです。ストラトキャスターとか使う人はBASSは上げ目でセッティングしていいかなと思います。レスポールのようなハムバッカー搭載のギターでもBASSを上げてもモコモコとしたサウンドにはなりません。
VOLUMEのつまみは11時くらいでフラットです。ヘッドルームに余裕があり、音量に関してはそれなりの量まで出せるので特に不満はないですね。爆音にはなりませんが、普通に歪みペダルとして使う分にはちょうどいいレンジ感です。
GAINのつまみは12時でフラットです。9時~10時くらいでクランチサウンド、12時で軽めのオーバードライブサウンド、15時を超えてくると深い歪みのオーバードライブサウンドとなります。
MAXにしてもディストーションまではたどり着かず、重ためのオーバードライブの音になるくらいで踏みとどまってくれます。故にいくら歪ませても音が潰れず、芯が残りますね。
限りなく歪むタイプのペダルではなく、あくまでマーシャル系のオーバードライブサウンドを作るタイプのペダルですね。
総評
カラっとしてさっぱりとしたドライなプレキシマーシャル系のオーバードライブサウンドです。ブーストスイッチをONにすると音色が切り替わり、奥行きがあってジューシーなサウンドとなります。
ディストーションサウンドにはならず、クランチ~オーバードライブくらいのゲインレンジしかありません。
アンプジャストとまではいかないものの、アンプライクで良質なマーシャル系サウンドだと思います。
ゴリゴリに歪ませて重たいサウンドを作るのには向いてないですね。別のマーシャル系ペダルを使った方がいいです。
マーシャル系オーバードライブサウンドを作るにはこれがうってつけかなと思います。
レスポンスも良く、歪ませても音が潰れていかず、太く芯のあるサウンドです。
イコライザーの効きがまさにマーシャルアンプの挙動そのものですので、マーシャルアンプに慣れている人は問題なく使えるかなと思います。あんまり使ったことがない人にとっては「なんだこの使いにくいコントロールは・・・」ってなると思います。
私はブーストスイッチ踏んだ状態の音が好きですね。ウォームでジューシーなマーシャル系サウンドはやっぱり聴いていて心地いいものです。