アンプやエフェクターのつまみで音作りをする際、ほんの少しミッドを足したいのに凄く増えてしまう・・・つまみ8がなのに全然歪量が増えてくれない・・・・それには理由があります。
全てのアンプやエフェクターのつまみは数字に比例してコントロールできるわけじゃないのです。
可変抵抗器について
ゲイン・ボリューム・トーン等をコントロールするツマミは可変抵抗器で抵抗値を変化させ、電気を流す量をコントロールすることで電気信号を変えています。
学生の頃の授業でラジオを作った人なら馴染みはあるかと思います。
コントロールのつまみによってどの可変抵抗器を採用するのか設計者は検討しています。
カーブについて
可変抵抗器は全て同じように抵抗値が変わるわけではありません。ツマミの回す量によってどの程度抵抗値が変わるのかそれぞれ異なってきます。
代表的な物でAカーブ・Bカーブ・Cカーブと呼ばれるものがあります。
Aカーブは回す位置が後半にいくにつれて、急激に抵抗値が変わる
Bカーブはずっと一定で抵抗値が変わる
CカーブはAカーブとは逆で最初に急激に抵抗値が変わり、後半にいくにつれて緩やかに変わる
カーブにはこのような特徴があります。
Aカーブは主にボリュームつまみに採用されます。前回のアンプのW数と音量の記事を参照してほしいのですが、音量は比例して大きくはならず、対数的に増えていきます。
アンプのW数と音量の関係性の記事はこちらから!
アンプの名称によく数字が書かれているかと思います。マーシャルアンプであればDSL1CとかDSL100H等ですね。これはアンプの出力電力が何Wであるかの表記です。アンプのカタログにはもう一つ消費電力○○Wと[…]
Aカーブを使うと多少は変動はありますが、ボリュームつまみをいじると自然に音量が大きくなっていくように聴こえるはずです。
Bカーブはトーンのつまみに採用されることが多いです。一定で変化していくので操作しやすいですね。ただし、Bカーブの中でも
若干カーブを描いたBカーブの可変抵抗器も存在します。
どのエフェクター・アンプでも使うカーブは同じか?
異なります。
設計者の意図によって何のカーブの可変抵抗器が採用されているのか分からないです。
数々のアンプやエフェクターを使用された方ですとそれぞれに癖が感じられるのがわかると思います。3~4のポイントで凄く歪みだすな!とか7超えたらもうほとんど歪まないな・・・とか感じられたことがあるかと思います。
新しくアンプやエフェクターをご購入されたらひとまずこういった癖を探し出すことをおすすめします。それを把握しているかしていないかで音作りのしやすさがグンと上がるはずです。
マーシャルアンプのハイがきついというのは常識になっています。私の推測ですが、トレブルのつまみにCカーブが使われているのではないかと思っています。
ベース・ミッド・トレブルの全ての数字をフラットにするとハイファイな音になりますよね?見かけの数字に騙されることなく、自分の耳を頼りにつまみをいじっていくしかないです。
結論
まとめとしまして、可変抵抗器とカーブついて箇条書きしますと
1.可変抵抗器にはAカーブ・Bカーブ・Cカーブのような特性がある
2.アンプ・エフェクターのつまみはどのカーブが採用されているのか分からない
3.見かけのつまみの数字に騙されるな、癖を把握しよう
となります。
よく、この音を出したかったらこの設定にしよう!みたいな言い方されている方がいらっしゃいますが、同じ設定にしていようが使用している機材や環境で全く別な音になります。そういった先入観を排除して自分の耳を信用されたほうが音作りはしやすいかと思います。
まず、アンプ・エフェクターを買ったらつまみをいじり倒して癖を把握しましょう!