SHIGEMORI(しげもり)PRETONEをレビューします。珍しいトーンプロセッサです。ちょっと馴染みがないエフェクターです。
特徴
国産高級エフェクターブランドのSHIGEMORI(しげもり)のPRETONEです。国産のハイエンドエフェクターブランドで有名ですね。
プロミュージシャンも御用達のエフェクターブランドです。
こちらはトーンプロセッサとなっています。 主にミドルの帯域を調整するペダルです。
ローミッド~ハイミッドのおいしいポイントを探り出してそこをブーストしてやるイメージですかね。
イコライザーのように足し算、引き算するようなものではないという事だけ念押ししておきます。
ケースも美しい青色でかつアルミの削り出し加工となっています。重量感もありますね。
流石はSHIGEMORI。ケースから音質に拘っていますね。
つまみはVOL、LOWRANGE、HIGHRANGEの三つです。 LOWRANGEはローミッドの帯域の調節、HIGHRANGEはハイミッドの帯域の調節ができます。
LOWRANGEを左に回していけばミドルが削れてローが足されて行き、右に回せばローが削れてミドルが足されていきます。
HIGHRANGEでは左に回していくとハイが削れてミドルが足されていき、右に回せばミドルが削れてハイが足されていきます。
かなり独特なエフェクターですね。
エフェクターの音作りについて
ONにすると原音をほんのり艶やかにする味つけをし、ミッドレンジをコントロールできるペダルです。
全部12時にすると音も若干太くなります。思いっきり原音から変わるわけでもなく、本当に最後のスパイス的な使い方になるのかなと思います。
もしくは、サブギターを持ってきたときにこれを使って音の補正をしてあげるとか、一部フレーズの時だけ音を前に出してみたり、逆に引っ込ませたりするのに使えそうですね。
大げさな変化はないのでそういった加減が絶妙です。
VOLのつまみですが、12時でフラットです。MIN~12時の間では音量が主に変化していきます。MINでは音は完全に出なくなります。 12時~MAXで音量が増すというよりかは、歪み量が増していくイメージですね。
クリーンブースター的な使い方には合わないかと思います。思いっきり歪むわけでもなく、ほんのり歪んでいくのでゲインブースター的な使い方もできないです。
基本12時で運用、もしくは音圧を若干下げてみたり、ほんのり歪みを足したりとスパイス的な使い方になるのかなと思います。
LOWRANGEとHIGHRANGEですが、両方調節してバランスを決定するようなつまみなのでどっちかを弄ればもう一方を弄らないと良い音にはならないですね。
通常のトーンコントロールのようにローが足りないからローだけ増やそう、みたいな使い方ではないです。
LOWRANGEとHIGHRANGEを12時だと若干太くなる音になります。両方2時に設定すると原音とあまり変化のないフラットな音になります。
あくまでローミッド、ハイミッドの調整しかできないので、これ一個で極端な音にはならないですね。
さすがにLOWRANGEを左に回し切ってかつHIGHRANGEを右に回し切るとミドルがなくなってスカスカな音になりますが笑
一部帯域をブーストさせるというよりかは、音の重心を移動させるようなイメージでしょうか。
両方MID側に回していくと音が前に出てきてリードっぽくなりますし、外側に回すとドンシャリな音になります。
この二つのトーンコントロールの調節が本当に難しいですね。ハイ上げるとミドルが削られますし、ローを上げてもミドルが削られる、かといってミドルを上げるとどちらかが削られる。
自分の理想とするトーンを想像しながらこれを試行錯誤して調整し、スウィートスポットを探っていくしかないかなと思います。感覚的に使えるペダルでは絶対にないです。
歪みエフェクターのトーンコントロールが1つしかないようなものでもこれを併用してあげれば手が届かなかったトーンを作れたりもするので、使いこなせるかどうかは本人の腕にかかっているかなと思います。
これをONにしとけばとりあえず音が良くなる、みたいなペダルではないです。
総評
音が艶やかになり、主にミッドの帯域のコントロールができるトーンプロセッサです。
これを買えばいい音になるぞ!というペダルではなく、かなり人を選ぶ玄人向けなペダルだと思います。
ある人は「これは最高!」と言う方もいるでしょう、またある人は「なんだこれ・・・」と言う方もいらっしゃることでしょう。
大げさに変化することはなく、この絶妙なさじ加減が素晴らしいです。
周波数帯域のことを理解されている方はこれを使うと感動するのではないでしょうか。通常のアンプ・エフェクターのイコライザーだけでは届かないところを調整できるため、これは重宝すると思います。
かなりニッチなエフェクターですが、性能は間違いないと思います。
それが本当に自分にとって必要なのかどうか踏みとどまってよく考えてからご購入することをおすすめします。