Fulltone OCD V2をレビューします。言わずと知れた定番のオーバードライブペダルですね。
特徴
Fulltone OCD V2です。
昔、滅茶苦茶流行ったオーバードライブですね。
ライブハウスでギタリストのボードを見たら大抵これが入ってたくらいの使用率でした。
値段もお手頃で割とどこの楽器屋でも置いてあったので入手もしやすかったです。
現在はFULLTONEが廃業したので、生産終了のエフェクターペダルとなります。
供給が無くなったため、中古市場ではかなり値段が上がってしまって入手がやや大変に・・・。 といっても、大ベストセラーとなった商品で大量に供給されたのでべらぼうなインフレにはなっていないようですね。
最近、FULLTONEが復活するだのなんだのそういった噂がちらほら・・・。
そうなったらまた供給が安定して値下がりが期待できるかもしれませんね。
2024年1月25日現在、FULLTONEが復活したようです。お値段は当時より高くなっていますが、物価高騰中なので仕方ないですね。
つまみはVolume、Drive、Toneのスタンダードな3つに加えて中央上部に切り替えスイッチがあります。
HP(HighPeak)モードとLP(LowPeak)モードの切り替えが可能です。 内部にはEnchanced bypassとTrue bypassの切り替えスイッチがあります。
スイッチOFF時に回路を経由しないようにしたければTrue bypassに切り替えればOKですね。
そこまで神経質にならなくてもいい気はしますが、塵も積もれば山なので。
9-18Vまで使うことが可能です。
通常のエフェクターであればドライバーを使ってネジを外してケースを開けなければならないところですが、これは左右の2つのネジを手で回して外せばケースを開けられます。お手軽ですね。
エフェクターの音作りについて
UKロックで聴き馴染のあるブリティッシュな王道マーシャルサウンドが特徴的なオーバードライブです。
王道ど真ん中ですね。誰が聴いてもストレートにいい音と言えるくらい直球なサウンドなので、特に癖もないです。
クランチ~ディストーションに近いくらいまでゲインレンジもありますので、ジャズコーラスでも運用がしやすいです。
日本のライブハウスではほぼジャズコーラスorマーシャルの2択なので、ジャズコーラス側のアンプを使用するギタリストがこれをよく導入していたのもわかります。そりゃ流行りますよねっていう。
HP時では音のパンチも強く、ピッキングニュアンスもつけやすいハッキリとした歪みサウンドなので、音作りは滅茶苦茶しやすいですね。
ミッドハイの主張が強く、音抜けも良いです。 ガッツリ歪ませて運用してもいいですし、クランチサウンドで運用しても全然対応できます。
汎用性が高いです。
LP時では全くキャラクターが異なってハッキリとしてた音の主張は姿を消します。
元気でいっぱいだった音が落ち着きのあるサウンドになります。
ミッドローに寄ったちょっと籠った音になります。
音抜けが良いというよりかは広がりがあって温かみが感じられるサウンドになります。
音量も若干低くなり、音が馴染んでくれるようなバッキングギターに合うサウンドになります。
各スイッチでつまみの挙動が完全に異なってしまうので、2パターンに分けて記載します。
HP(HighPeak)時
Volumeのつまみですが、13時でフラットです。12時だと少し引っ込んだ音になります。12時~15時までの音量の変動が大きく、14時の段階でもかなり音量が稼げます。15時から爆音になり、そこからはあんまり増えていく印象はないです。9時~12時では緩やかな音量の変化です。MINで完全に音が消えます。
Driveのつまみですが、12時でフラットです。MIN~9時くらいまではクランチサウンド、9時~12時でオーバードライブ、12時~15時で厚みのあるオーバードライブ、15時~MAXでディストーションくらいまでは歪みます。ゲインレンジが広いので特に不満な点はないですね。歪み量を増やしていくにつれてギターの音の厚みも増していきます。クランチサウンドでも使えないことはないですが、ちょっと頼りない感じ。別のクランチに相応しい歪みペダルを使った方が無難ですかね。
Toneのつまみですが、12時でフラットです。MIN~9時までは籠ってモコモコしたような音、10時~12時はちょっと抑えめのサウンド、12時~15時で音抜けの良いハッキリとしたブライトな音、15時以降でハイの効いた高音になります。耳が痛くなるようなキンキンな音にはならないですね。
LP(LowPeak)時
Volumeのつまみですが、14時でフラットです。12時だとかなり引っ込んだ音になってしまいます。HP時と比較すると音のピークが1時分ずれたようなイメージですかね。15時を超えてきたらLPであっても十分な音量は稼げます。
Driveのつまみですが、12時でフラットです。HP時と比較するとかなりゲインレンジは狭くなっている印象。クランチ~オーバードライブの範囲内になります。ディストーションサウンドは作れません。歪み量をカットして調整していても結構コンプレッションが強いです。つまみの挙動は一定で緩やかに歪み量が増えていく感じです。
Toneのつまみですが、14時でフラットです。LP時の12時から2時分ずれたようなイメージです。ローの主張が強くなりましたが、ハイの天井はLP時に比べて低くなっています。
総評
王道ブリティッシュマーシャルサウンドのオーバードライブペダルです。
一時期、あまりにも使用者が多かったのでこれがスタンダードな音って感じします。
これを聴いて嫌悪感を感じるギタリストも少ないと思うので、とりあえず1台持っておいて無難なオーバードライブペダルかと思います。
HP時とLP時で音の質感が全く異なります。HP時だと音抜けが良く、主張の強いリードギター向け、LP時だと少し落ち着いた広がりのあるバッキングギター向けの音作りが可能です。
汎用性が高く、値段もお手頃なのでベストセラーにそれはなるわなっていうペダルでした。
現在、生産終了しているペダルなのでちょっと入手しづらいのがネックか。中古市場が荒れている・・・。
復活が望まれます。
復活しました。またこれが流行る時代が来るかもしれません。